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ネットプライス Research Memo(9):インキュベーションを行う専門部署「Beenos本部」を立ち上げ
*19:56JST ネットプライス Research Memo(9):インキュベーションを行う専門部署「Beenos本部」を立ち上げ
■成長戦略
(2)インキュベーション事業
ネットプライスドットコム<3328>の転送コム(海外居住者向け商品発送代行サービス)は前述したように業界ではまだ競合が少なく、ほぼ同社の独壇場となっている。市場規模がまだ小さいことも競合企業が出てこない背景としてあるが、国際化の進展や円安の進行に伴い、日本の商品に対する需要は今後も拡大していくことが予想される。同社では既に海外84か国への発送に対応しており、先行企業としての強みを生かしていく方針だ。
また、インキュベーション事業では今まで、国内外のネットベンチャー企業約40社に投資してきている。2013年9月期の第3四半期(2013年4-6月期)には、2006年に当社のバリューサイクル部門のデファクトスタンダード社から会社分割により設立されたオークファン<3674>が株式上場を果たし、株式売却益を得た。2014年9月期以降も、順調にいけば他の出資先でも同様の株式売却益が出てくる可能性がある。
同社では今後、インキュベーション事業をEコマース事業と並ぶ収益の柱に育成していく考えで、2013年4月には本社内にインキュベーションを専門に行う部署、「Beenos本部」を新たに立ち上げた。Beenosの語源は「Bee(ミツバチ)の巣」からきている。ミツバチは植物の花粉を様々な場所に届け、植物の成長を支えているように、同社がベンチャー企業に情報や人的なネットワークを繋いでいくことで、ベンチャー企業の成長を支援していく、ということをイメージして名づけられたものだ。技術、デザイン、情報分析、管理など各分野の専門家がその能力を生かして国内外のインターネット関連企業に投資、育成を行う「Investment Program」と、起業経験をもつ専門家のサポートを生かし、有望な起業家と共に新規事業を創造する「Inception Program」を2013年7月よりスタートしている。スタートアップ段階の企業やビジネスの成長加速を更に求めている企業に対し、直接投資・育成・サポートを行うことで、事業創造の活性化とスピード化を図り、収益に結びつけていく戦略だ。
投資規模、方針は地域によって異なってくる。日本では経営のマジョリティを取りながら、連結利益の取り込みか、IPOまたはM&Aによるイグジット(投資資金の回収)を目指していく。米国ではマイノリティ出資を通じてIPOやバイアウト等のイグジットを目指す。米国の場合はモバイルを中心としたインターネット技術並びに市場の動向が日本よりも9~12ヶ月早く、情報の収集と起業家のネットワーク作りを形成するといった点も重要な目的となっている。また、新興国ではマイノリティ出資によって、イグジットは中期的な期間でのバイアウト等を想定している。新興国ではIPOマーケットがまだ未成熟なためだ。年間の投資規模としては100~200百万円程度。一定の比率以上の出資ならびに役員派遣を通じて、長期的な成長をサポートしていく。
同社のインキュベーション事業における強みは、事業化に当たってのビジネスモデルの構築やKPIの設定、組織の作り方、ユーザビリティ、資金調達方法など全てのノウハウが自社に蓄積されていることだ。また、関連会社であるオープンネットワークラボや自社が今までに構築してきた人的ネットワークを生かすことができることも強みとなる。起業家たちにとって、スタートアップ時に最も重要な項目の1つとして、人的なネットワーク作りがあるためだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)《FA》
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