コニシ Research Memo(2):商標登録もされている「ボンド」は圧倒的なブランド力

2013年7月31日 18:30

印刷

記事提供元:フィスコ


*18:30JST コニシ Research Memo(2):商標登録もされている「ボンド」は圧倒的なブランド力

■会社概要

(1)会社沿革

合成接着剤「ボンド 木工用」、子供の頃、学校の工作時間で誰しもが使った経験がある接着剤を製造販売しているのがコニシ<4956>だ。「ボンド」のブランド力が圧倒的で接着剤=ボンドとのイメージが強いが、実は「ボンド」は同社のブランド名で商標登録もされている。

同社の歴史は古く、設立は1870年(明治3年)になる。創業者である小西儀助氏が大阪で薬の卸問屋となる小西屋を創業したのが始まりだ。1880年頃に洋酒、缶詰類の輸入販売を開始し、本業となる商社事業がスタートしている。1888年には大阪洋酒醸造会社を設立し、ブランデーやワインなど洋酒の製造販売を開始させた。サントリーの創業者である鳥居信治郎氏がこの頃、3年間ほど同社に丁稚奉公するなど、関西の洋酒業界の勃興期において、同社は重要な役割を果たしている。

1912年には輸入アルコール、工業用薬品、洋酒、食料品などの卸売事業に専念し、製造業に関しては消毒液などに用いられた業務用のアルコールのみ継続し、その後1940年頃まで「アルコールの小西」として、国内のエチルアルコール需要の約40%を供給する有数の化学商社として成長していった。

同社の現在の主力製品である合成接着剤「ボンド」の製造販売は1952年からで、製本の工程で用いられる接着剤として日本で初めて採用されたのが始まりだ。当時、製本の「綴じ工程」では糸や針金で綴じ合わせる方式が主流であったが、接着剤を使うことによって、製本にかかる時間が短縮されるほか、綴じ合わせのためのスペースも不要となることで、紙面の有効活用が図られ、電話帳や文庫本などで採用が進んでいった。また、大きく成長するきっかけとなったのは、1953年以降、木工用として「ボンド」が建具、建築業界向けに採用され始めてからとなる。当時、木工用の接着材料としてはニカワや蒸した米粒を練り合わせた続飯(そくい)と呼ばれる糊が用いられていたが、接着性能や利便性など優れた品質が評価され、1957年に発売開始した一般家庭用の「ボンド 木工用」と相俟って、その後の同社の成長を牽引していくことになる。

1973年に起きたオイルショック時には原材料の調達に苦労し、生産制限がされるなかで販売先をどのように配分するかという問題に直面したが、同社では大手企業よりも中小企業に優先的に供給する営業方針を掲げ、顧客から大きな信頼を獲得、これを契機に業界トップシェアを確立し、現在に至っている。「品質と信用」を第一に考える同社の企業理念が活かされた格好と言えよう。

グループ展開としては1999年に無機系化学商品を扱う丸安産業をM&Aにより子会社化したほか、2001年には土木・建築業界向けの工事請負事業を展開するボンドエンジニアリングを設立。2002年には化学品のデータベース事業会社の日本ケミカルデータベースを、2003年には各種シーリング材の製造販売を手掛けるサンライズ・エム・エス・アイ(以下MSI)をM&Aによってそれぞれ子会社化した。また、海外展開では2004年に中国に製造販売拠点を設けて以降、タイ、インド、ベトナムなど4か国に進出している。グループ連結子会社は国内外合わせて15社、持分法適用会社1社(インドネシア企業との合弁会社)となっており、連結従業員数は1,080名(2013年3月期末)となっている。

なお、株式上場は1994年に大阪証券取引所市場第二部に、1997年に東京証券取引所及び大阪証券取引所の市場第一部にそれぞれ上場を果たしている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)《FA》

関連記事