明光ネット Research Memo(9):「脱ゆとり」や教育資金の非課税措置など中期的な追い風に

2013年7月29日 16:38

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記事提供元:フィスコ


*16:39JST 明光ネット Research Memo(9):「脱ゆとり」や教育資金の非課税措置など中期的な追い風に
■成長戦略

明光ネットワークジャパン<4668>が2010年10月に発表した3カ年中期経営計画の最終年度に当たる2013年8月期は、当初の中期計画の目標値に対して、売上高はやや下回るものの、利益ベースではほぼ目標を達成しそうだ。また、基本戦略として掲げていた3つの戦略のうち、「新規事業の確立」はほぼ当初の目的を達成したが、「明光義塾事業の新成長路線の確立」に関しては、やや課題が残ったと言えそうだ。

新たに策定される中期計画では、明光義塾事業の成長戦略に関してのブラッシュアップが期待される。インターネットを活用したプロモーション活動の強化やサービスメニューの充実、サービス品質の向上、「明光義塾」のブランド力向上などをいかに進めていくことができるかが、ポイントになる。同社では教室数は2,500程度まで拡大余地があるとみており、引き続き拡大戦略を採っていくものと思われる。

市場環境としては、少子化トレンドが続くものの、脱ゆとり教育への転換によって学校における授業内容の量・質が充実化されている。2009年度より進められている新学習指導要領に基づき、教科書の頁数も大幅に増加している。こうした環境下で、今まで以上に学校外での学習の必要性が高まり、学習塾の重要性が増してくることが予想される。「明光式!自立学習」という独自の学習指導スタイルを確立し、個別指導塾として業界トップに位置する同社にとっては、中期的な追い風となろう。

新規事業では、ユーデックにおける学内予備校事業が注目される。少子化が進むなかで、私立学校においても学生の獲得に苦労するところが増えており、その問題を解決する施策として学校全体の学力向上、有名大学合格実績の積み上げが効果的とされているためだ。実際、学内予備校はここ数年で着実に増加してきており、その効果も出始めていることから、今後も普及拡大していく可能性は高いと弊社ではみている。

同事業におけるサービスの特長は、「ワンウェイシラバス」の徹底により、授業の進度と生徒の学力に合わせた講座設計を行うことにある。あらかじめ学校との教務会議で指導内容をすり合わせて、課題や目標を共有することで学校のビジョンと連携させ、学習効果を最大限得られる体制を構築している。講師陣に関しては外部派遣で賄われているが、大手有名予備校の講師なども採用し、有力大学への合格を目指した授業を展開している。

学内予備校事業は早稲田アカデミー個別進学館とターゲットとなる生徒層が重なるが、グループ内において様々な教育サービスを用意することで、多様なニーズに対応が可能となる。グループ全体でみれば、収益の拡大に寄与するものとみられる。

また、新たな経済対策の一つとして2013年度より創設された減税措置(祖父母が孫などに教育資金をまとめて贈与した場合、贈与税の一定額を非課税にする)も追い風になると思われる。同社の教育サービスにおける対象者層は幼児から予備校生まで幅広い年齢層に渡るほか、その内容も学習塾や予備校、サッカースクール、英会話スタジオなど多岐に及ぶ。今回の減税措置で恩恵を受ける可能性は大きいと言えよう。

以上、同社の業績は主力の明光義塾の成長に加えて、周辺領域となる新規事業の収益貢献によって、更なる拡大が期待される。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)《NT》

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