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貿易赤字、過去最大の4兆8438億円に
財務省が発表した2013年上期(1~6月)の貿易統計速報(通関ベース)によれば、貿易収支(原数値)は4兆8438億円の大幅な赤字であることが分かった[写真拡大]
24日、財務省が発表した2013年上期(1~6月)の貿易統計速報(通関ベース)によれば、貿易収支(原数値)は4兆8438億円の大幅な赤字であることが分かった。これで5期連続の赤字となり、赤字の総額は1979年の統計開始以来、半期ベースで過去最大を更新し続けることとなった。
これまでの過去最大の赤字額は、12年下期の4兆241億円で、今回のこの結果は、原発稼働停止により火力発電用燃料の輸入が増加したことや、円安により輸入価格が押し上げられたことが影響したとみられている。
13年上期の輸出総額は、前年同期比より4.2%増えて33兆9574億円。中国への有機化合物の輸出や、アメリカ向けの自動車輸出などが増え、2期ぶりの増加となった。輸入総額は、前年同期比より9.2%増えて38兆8012億円。中東からの液化天然ガス(LNG)や原油、さらには中国からの携帯電話などが増加し、こちらは7期連続での増加となった。
地域別の貿易収支では、自動車・自動車部品などの輸出好調が影響して、対アメリカの貿易収支は2兆9423億円の黒字。これに対して、携帯電話の輸入が過去最大に伸びたものの、自動車輸出が振るわなかった対中国の貿易支出は過去最大の2兆2727億円の赤字となった。また、対EUに関しても、輸出は前年比8.6%増となって21ケ月ぶりに増加したものの、貿易収支は3335億円と過去最大の赤字額だった。
為替レート(税関長公示レート平均)は1ドル94.62円。対前年比で18.9%の円安。ドル建て比率が輸出の6割に対して、輸入が8割で、円安影響が輸入に大きく出たため、貿易赤字額が膨らんだ。
輸入原油単価は前年比9.6%増の6万5724円/キロリットルで、ドルベースでは前年比7.8%減の110.4ドル/バレルだった。
国内金融機関の関係者によれば、今回の財務省の発表に関して、「輸出に関しては予想していた通り、対アメリカへの自動車輸出が堅調な伸びをみせた。しかし輸出全体で考えると、一部の新興国やヨーロッパの不景気の影響で、円安により金額がかさ上げされているものの、数量が伸びていない構図が依然として続いている」との見方がなされている。(編集担当:滝川幸平)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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