日本トリム Research Memo(3):ウォーターヘルスケア事業が連結売上高の98.6%を占める

2013年7月5日 18:42

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記事提供元:フィスコ


*18:42JST 日本トリム Research Memo(3):ウォーターヘルスケア事業が連結売上高の98.6%を占める

■会社概要

○ウォーターヘルスケア事業

日本トリム<6788>の事業の大半を占めるセグメント。連結売上高のうちの約98.6%、連結営業利益の96.2%(いずれも2013年3月期)を同事業が生み出している。収益はほぼ、国内の家庭用整水器と浄水カートリッジ販売、海外の整水器およびボトル水事業の2事業があげており、研究開発と並行して事業化を進める農業分野や工業分野は今後、業績への寄与が期待される分野である。また、ウォーターヘルスケア事業における国内の家庭用整水器は売上で67.7%を占めている。


a)国内の家庭用整水器

「TRIM ION(トリムイオン)」シリーズを展開。据え置きタイプの「NEO(ネオ)」(定価17万2,200円)と、インテリア性も兼ね備えた蛇口組込タイプの「GRACIA(グラシア)」(同39万6,900円)が主なラインアップ。厚生労働省所管の薬事法に規定された管理医療機器として認証があり、胃腸症状の改善に効能効果が認められている。また、「トリムイオン」が生成する電解水素水に関して、豊富に含む水素の抗酸化作用を軸に、ノーベル生理学・医学賞の選考機関があることで著名なカロリンスカ研究所を始め、台湾大学、九州大学、東北大学など、国内外の大学および研究機関と産学共同研究が実施され、多くの共同論文が発表されている。

整水器を使用する際は、水道水を浄化するためのカートリッジ(「NEO」は9,975円、「GRACIA」は1万3,125円)が必要となる。カートリッジは容量を通水するか1年に1回程度の頻度で取り換える必要があり、これはいわゆるストックビジネスとして、同社の収益の安定化に貢献している。

「NEO」はシグナルの点滅で水素の発生を知らせ、メロディとランプの光で電解水素水の生成を知らせてくれるほか、電解水素水の濃度調整機能も付いている。また、消費電力を節約できる「ecoスイッチ」も搭載している。

「GRACIA」は、ドイツの高級水栓メーカー「グローエ社」と共同開発した製品。電解水素水、電解酸性水、浄水、水道水を1つの水栓で使用することができ、内蔵されたタッチパネル式のデジタル表示システムで稼働状況が一目で確認できる。1分間に最大4リットルの電解水素水を生成することができる。

同社の強みは、製品の独自性だけにあるのではなく、製造から販売、アフターフォローまでグループで一貫したサービスを実施していることにより顧客の信頼性が高い点にある。また、販売においても独特の手法を採用している。一部で卸売りやOEM(相手先ブランドによる製品供給)を行っているものの、基本的には、消費者に直接営業する販売手法を取っている。具体的には、職域販売(ダイレクトセールス)、取付紹介販売(ホームセールス)、店頭催事販売(ストアセールス)の3つの方法で主に展開している。

職域販売は、企業を訪問し、従業員に対してセミナーなどを行うことにより販売する。取付紹介販売は、同社の整水器の取付けする際に、家族にも電解水素水の説明を行い、顧客満足度を高めるとともに、親族や知り合いを紹介してもらう。店頭販売は、デパートなどでの実演販売である。

これらの販売法はいずれも同社の営業社員が説明から販売までを行う。職域販売における代理店の役割は、企業の従業員へのセミナーを設定するところまでで、販売はしない。代理店は、最も大きなリスクになる商品在庫を持つ必要がない。リスクなく仲介料が手に入るため、大手商社や組合、生協など業種に関係なく多くの企業が代理店になっている。

一方、他社は、家電量販店などでの店頭販売が主流で、大手でメーカー自らが消費者への直接営業を行っているのは、業界内でも同社だけである。

同社があえて他社とまったく違う販売手法を取るのは、まず、商品そのものの価格にある。1台17万円以上の商品であるため、店頭にただ置いておくだけではなかなかそのメリットを納得してもらいにくい点にある。しかし、説明機会があればその購入率は高く、昨年実績では職域販売のセミナー参加者の約16%が購入しており、販売効率の高い営業手法である。

また、価格の維持が挙げられる。家電量販店では、競争に勝つために値引きを避けるのが難しい。しかし、同社のような独自のルートで販売すれば、値引きの圧力にさらされる恐れは小さくて済む。値引き圧力が小さいことは、同社の売上高営業利益率が20%(2013年3月期)と高い水準であることからも分かる。

消費者と直接やりとりすることで、様々な生の情報を得ることができ、消費者の声を蓄積することで新商品の開発に生かせることも強みだ。


(執筆:フィスコ客員アナリスト柄澤邦光)《FA》

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