【ジャーナリスト&アナリスト・水田雅展の視点】週末の米雇用統計控え日経平均は1万3000円台固めに、中国の金融不安に対する過度な警戒感は後退

2013年7月1日 09:00

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

<相場展望>(1日~5日)

  今週(7月1日~5日)の株式市場については日経平均株価1万3000円台固めの展開を想定する。週末5日に米6月雇用統計という重要イベントを控えているため様子見ムードを強めるが、米FRB(連邦準備制度理事会)の量的緩和策縮小・終了や中国の金融不安に対する過度な警戒感も後退しているため売り圧力は限定的だろう。

  前週(6月24日~28日)の株式市場は、バーナンキ米FRB議長が19日のFOMC(連邦公開市場委員会)後の記者会見で量的緩和策の縮小・終了を明確にした余波が残り、中国の短期金融市場の流動性逼迫問題に対する警戒感も強まり、週前半は先物の動きに神経質な展開となって売買代金も低水準だった。新興市場では換金売りも広がったようだ。しかし週後半になると米国や中国の要人発言などでやや落ち着きを取り戻し、週末28日には月末ドレッシングの動きも加わったようだ。

  今週も先物の仕掛け的な動きに神経質な地合いに変化はなく、週後半の3日~4日にカーニー新総裁(前カナダ中銀総裁)の英中銀金融政策委員会、4日にECB(欧州中央銀行)理事会とドラギ総裁の記者会見、4日に米国市場の休場(独立記念日)、そして週末5日に米6月雇用統計を控えているため、全体として様子見ムードを強める可能性がありそうだ。

  ただし米FRBの量的緩和策縮小・終了や中国の金融不安に対する過度な警戒感は後退している。そして前週末6月28日の海外市場で米国株は下落したが、ドル・円相場は1ドル=99円台前半とやや円安方向で推移し、CME日経225先物(円建て)は1万3700円だった。

  このため週初7月1日の日銀短観(6月調査)で大企業・製造業の業況判断(DI)の改善が確認されれば、買い安心感が広がりそうだ。6月28日に大幅上昇したことで、日経平均株価の日足チャートがトレンド好転を鮮明にしたことも目先的な支援材料となるだろう。本格上昇は先だが、一時的に日経平均株価1万4000円台を回復する場面もありそうだ。

  さらに米6月雇用統計通過後を見る形で、次週7月10日~11日の日銀金融政策決定会合に対する期待感、7月21日投開票が決定した参院選での衆参ねじれ解消に対する期待感、参院選後のアベノミクス成長戦略第2弾に対する期待感が高まる可能性もあり、年後半の上昇相場第2波に向けて主力株を仕込み始めるタイミングだろう。

  その他の注目スケジュールとしては、7月1日の中国6月製造業PMI(国家統計局)、中国6月製造業PMI改定値(HSBC)、ユーロ圏6月消費者物価指数速報値、米5月建設支出、米6月ISM製造業景気指数、2日の日本5月毎月勤労統計、豪中銀理事会、米5月製造業新規受注、米6月自動車販売台数、3日の中国6月非製造業PMI(国家統計局)、中国6月サービス部門PMI(HSBC)、米5月貿易収支、米6月ADP雇用報告、米6月ISM非製造業景気指数、5日の日本5月景気動向指数CI速報値などがあるだろう。

 その後は7月8日の日本6月景気ウォッチャー調査、8日~12日の米中戦略・経済対話、10日~11日の日銀金融政策決定会合、15日の中国第2四半期GDP、17日~18日のバーナンキ米FRB議長の議会証言、19日~20日のG20財務相・中央銀行総裁会議、30日~31日の米FOMCなどが予定されている。(水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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