【佐藤修の霞ヶ関・裏読み情報】麻生副総理兼財務大臣「アベノミックスの効果はまだ地方にまで及んでいない」と発言

2013年6月30日 12:42

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  通常国会が会期を終了した25日、麻生副総理兼財務大臣は記者会見に応じ、「都議選の評価」と「参議院選挙の見通し」を述べる一方、「アベノミックスの効果はまだ地方にまで及んでいない」「投資を決断するのは、どの会社でも社長で、その判断の決め手は、今後インフレになるという確信だ」と、次のように語った。

  都議選で自民党は、59人の公認候補が全員通ったというが、そのまま参院選の勝利につながるというほど選挙は甘くない。投票率が11%も下がり浮動票が大幅に減り、その分、基本的組織を持っている公明党、共産党、自民党が強味を発揮しただけだ。また、アベノミクスの効果というか、何となく景気が良くなったなという感覚は、東京都とか1都3県に近いところには出ていると思うが、果たして地方にまで及んでいるだろうか。予算が実行に移されても、実態はまだまだそうなってはいない。国の予算の執行には時間がかかる、この頃は前倒し率が高くなったとはいえ、なかなか直ぐには改善できない。だから、地方が「景気がよくなった」という気持ちが参議院の選挙までに出てくるかどうか不明だ。

  もう一つ経済で気になる点は、経営者、特に地方の経営者が投資をどうしようかなと思って控えているということだ。これは経営者側に立たないと分からないところだが、少なくとも経営者というのは、そこに需要があるということがない限りは、設備投資を含めて投資なんかしない。だが、もう15年ほど設備投資をやっていないから、設備が古くなっている分だけ生産効率が落ちていると思う。省エネの機械とかに設備投資をした方が、結果として利潤が高くなるという計算をするか否かという判断はこれからだと思う。

  そして、投資全般について言えば、最終的に、所詮行き着くところは社長で、社長の決断、それが全てだ。その際社長が考える一番大事なことは、デフレが終わってインフレに向かうという確信が出てくるか出てこないかだ。そこが一番大きなものだと思う。それは需要が出るか出ないかと密接に関係する。需要が先だと言われればそうかもしれないが、デフレではなくてインフレになるという確信が持てたら、社長は設備投資を決断するだろう。(政治ジャーナリスト・佐藤修)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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