アールテック・ウエノ Research Memo(7):網膜色素変性治療薬は実用化で市場を独占できる可能性

2013年6月21日 19:53

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記事提供元:フィスコ


*19:53JST アールテック・ウエノ Research Memo(7):網膜色素変性治療薬は実用化で市場を独占できる可能性

■中長期見通し

(1)網膜色素変性治療薬「ウノプロストン点眼液(UF-021)」

網膜色素変性とは進行性の夜盲で、視野狭窄を主な症状とし、失明に至ることがある遺伝性の疾患。日本では視聴覚障害原因の第3位(60歳以下では第1位)となっている。国内における患者数は約3万人(世界中では約100万人超)でオーファンドラッグ領域となる。現在まで、低分子化合物による有効な治療法は確立されておらず、社会的要請は強い新薬と言える(網膜色素変性の特殊型では遺伝子治療が英米で行われているほか、神経保護作用蛋白の眼内カプセル型放出投与が米国では行われている)。

実用化すれば日本だけでなく世界でも初の治療薬となり、市場を独占できる可能性もある。患者数は国内で約3万人、世界では100万人超とみられており、潜在需要は膨大だ。アールテック・ウエノ<4573>ではまず、国内での市場確立を進めていく方針で、現在第3相臨床試験に入っている。順調にいけば2016年春にも製造・販売承認が下りる見通しだ。他に類似品がないため、国内3万人のうち、約8割程度の需要は確保できるとみられ、ピーク時売上では約2,000百万円の売上が見込まれる。販売費用をかけなくても引き合いは活発化することが予想されるほか、製造面でも「レスキュラ」と同じ成分であるウノプロストンの濃度を少し変えたものであり、新たな投資が必要ないこともメリットとして挙げられる。このため、当初から粗利益率は「レスキュラ」を上回る80%超に達する可能性も十分にあり、利益へのインパクトは極めて大きいと言えよう。

なお、「UF-021」に関しては2013年2月に科学技術振興機構の開発支援プログラム「本格研究開発ステージ 実用化挑戦タイプ(委託開発)(A-STEP)」に応募し、採択されている。同支援プログラムの内容は最長7年で、2,000百万円までの研究開発費を支援するという制度で、開発の成功時には売上に応じて実施料を納付し支援額を全額返済するが、開発不成功時には支援額の10%を返済するだけでよいという内容となっている。開発資金が少ない企業にとっては、開発に伴う資金リスクが軽減されるため、メリットは大きいと言えよう。なお、実用化挑戦タイプ(委託開発)には17件の応募があり、採択されたのは同社の1件のみとなっている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)《FA》

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