ひと足早く調整入りの日本市場はNYダウ離れで底堅く推移、出来高は閑散気味に=犬丸正寛の相場展望

2013年6月21日 16:48

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  来週(25~28日)の相場は、NYダウとは違った展開となっている日経平均が、どのていど強さをみせるかが注目される。

  NYダウ、日経平均とも高値をつけた時期は5月22日頃でほぼ同じながら、その後の動きに違いがみられる。日経平均の1番底は6月13日であるのに対し、NYダウは今、1番底をつけに行っている。5月高値のあとNYダウが高値圏で値を保っていたのに対し、日経平均は大きく下げたため、日経平均にひと足早く調整一巡感が台頭している。このため、来週、NYダウがよほどの暴落とならない限り、日経平均は底堅く推移するものとみられる。

  両指数の背景には、「金融緩和の終了感」という類似した点がある。日本では4月の日銀の異次元金融緩和を好感した展開となったものの、その後は期待した緩和策は出ていない。これを嫌って日経平均は大きく下げる一因となった。アメリカでは、FRB議長が年内の金融の量的緩和終了を示唆したことでNYダウは高値圏のモミ合いを下放れた。しかし、この先のNYダウは、足元の景気好調に対する評価から大きくは下げないものとみられる。

  これからの日米マーケットは、共に金融緩和という一大イベントが終わりつつあることから、「金融相場」から「業績相場」への色合いを強めていくものとみられる。とくに、現実の景気・企業績が好調なアメリカに対し、日本はこれからアベノミクス効果が景気・企業業績に本格的に現れるかどうかが注目される局面である。金融緩和による円安効果で輸出関連企業の企業業績は上向いているものの、日本全体に景況感の高揚ということではない。日経平均予想1株利益でみても6月7日に904円のあとは890円台で伸び悩みとなっている。

  日経平均は5月23日の1万5942円から6月13日の1万2415円まで22.1%下げ、11年3月の東日本大震災下げの24%に近い水準まで下げたことで売方は積極的に攻勢をかけづらいところにある。一方の買方も5月までのような何でも買いから選別買いのスタンスを強めている。このため、5月23日には76億株にまで膨らんだ出来高はこのところ20億株台まで減少している。

  来週以降も日経平均は底堅く推移するものと予想されるものの、出来高は引き続き大きくは増えないものとみられる。とくに、1ドル・103円まで進んだ円安がこのところ97円ていどへ円高となっていることから第1四半期(4~6月)での通期予想に対する増額は期待できないだろう。金融相場から業績相場へ移行とはいうものの、第2四半期(4~9月)決算が発表となる10月頃までは本格的業績相場は難しそうだ。

  夏場はサマーストック関連や、7月16日の東証と大証の現物市場統合から大証単独銘柄に対する見直し買いなどが予想されそうだ。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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