ネットイヤー Research Memo(4):高い企画力を背景に売上高は3期連続で過去最高を更新

2013年6月17日 17:32

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記事提供元:フィスコ


*17:32JST ネットイヤー Research Memo(4):高い企画力を背景に売上高は3期連続で過去最高を更新

■決算概要

(1)2013年3月期の決算概況

2013年5月10日付で発表された2013年3月期の連結業績は、売上高が前期比8.3%増の4,354百万円、営業利益が同31.6%増の142百万円、経常利益が同39.4%増の143百万円、当期純利益が同39.6%増の89百万円となった。売上高は3期連続で過去最高を更新、営業利益は4期連続での増益となった。期初の会社計画(売上高4,400百万円、営業利益130百万円)に対しても、売上高が若干未達だったものの、営業利益は10%弱上回るなど堅調に推移したと言えよう。

売上高の伸びの背景には、企業におけるWebサイトを活用したデジタルマーケティング分野への投資拡大が続いていることが挙げられる。特に、ここ数年はソーシャルメディアやモバイルデバイスの普及拡大によって、消費者の消費行動が変化してきており、それに対応するために企業も新たなマーケティング戦略の構築が求められている。同領域において、高い企画力を持つネットイヤーグループ<3622>に対する需要も拡大しているというわけだ。

2013年3月期では主要顧客であるKDDI向けに「Social Voice for Support」が新たに採用された。同製品はTwitterを用いたソーシャル・カスタマーサービスアプリケーションで、利用者がソーシャルメディア上で発するネガティブなコメントを自動的に抽出し、カスタマーサポート担当部署において、迅速に顧客サポートを行う流れとなる。同システムを導入したことで、コールセンターへの問い合わせ件数が減少し、顧客満足度も上がるなど、導入効果が実績として表れてきている。KDDI向けの売上高は同システムの導入も寄与して、前期比20.5%増の586百万円となった。

また、ソーシャルメディアの分析・コンサルティングで高い実績を持つ子会社、トライバルメディアハウスも、企業のソーシャルメディアに対する取り組みが活発化してきたことを背景に、売上高で前期比2割増の約700百万円と高成長が続き、収益拡大に貢献した。

売上高営業利益率は前期比0.6ポイント上昇の3.3%となったが、この増減要因をみると、販管費率が1.2ポイント上昇の18.2%となったのに対し、売上原価率が1.7ポイント低下の78.6%へとなったことが寄与した。売上原価の内訳をみると、人件費率は人員体制の強化、増員を図ったことで上昇したものの、プロジェクト外注費の抑制を図ったことで、外注比率が3.1ポイント低下した。このことが原価率の改善に繋がった。一方、販売管理費の内訳でも、人員体制強化に伴う人件費や採用費が合わせて0.9ポイント上昇したほか、自社開発商品の販売促進費を計上したことが販管費率の上昇要因となっている。

なお、人員に関しては2013年3月末時点で340名と前期末比44名の増加となった。ソーシャルメディアやクラウドサービスなどインターネット業界のなかで新たな市場がここ数年で立ち上がってきており、こうした新領域への対応を強化すべく、本社、グループ子会社含めて増強している。同社では今後も売上成長に見合うだけの人員を増強していきたい考えだ。

財務状況に関しては表の通り、大きな変化は無かったが、収益拡大に伴い自己資本比率やD/Eレシオなどの安全性指標、ROEや売上高営業利益率などの収益性指標が、ともに前期よりも改善、向上していることがうかがえる。財務状況としては有利子負債も少なく、手元キャッシュが1,000百万円超と総資産の約4割を占めるなど、良好な状態にあると言える。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)《FA》

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