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スマホカメラにユーザーが求めるものは?
スマートフォンのカメラ機能は、今やコンパクトデジカメの市場を脅かすほど、高機能化してきている。
画素数が向上しているのはもちろん、手ぶれ補正機能、フィルター機能、HDR機能などが強化され、確かにコンデジ並みの性能を有している。ちょっとしたスナップ撮影程度ならスマホで充分事足りるし、より美しく高精細な画像を残したいときは、ミラーレスや一眼レフを使う人も増えているという。
HTC NIPPONが2013年2月に、20歳から49歳までの男女1,000サンプルを対象にインターネット調査を行なった「スマホカメラ実態調査」の結果によると、10年前に比べて写真を撮る機会が増えたと感じる人が60.2パーセントとなっている。
旅行先の景色や結婚式、誕生日などのセレモニー、子どもの写真はもちろん、ディナーやランチなど、わざわざデジカメを出してくるほどではない、ただの食事風景や食べ物の写真まで日常的に撮影している人が約30パーセント以上もいることからも、スマホや携帯電話のカメラ機能がいかに身近なものとして使用されているかが推測される。実際、HTCもカメラ機能に力を入れることで、日本でも着実にシェアを伸ばしている。
イメージセンサーにも独自のこだわりを持っており、メガピクセル至上主義によらず、たとえ暗いところであっても色彩豊かに生活を映し出すというコンセプトのもとで開発されたUltraPixelは、画素数ではなく画素サイズを大きくして画素当たりの受光量を多くしたものとなっている。前述のアンケート結果でも、ユーザーが求めているのは画素数ではなく「明るく撮れること」となっており、消費者意識を反映したセンサーとも言える。
とはいえ、現行のスマホのほとんどに使用されている人気のセンサーは、ソニー<6758>製の「Exmor R/RS for mobile」だ。ソニー機種のみならず、iPhone5や4Sをはじめ、Xperia Z、Galaxy S4など、ほとんどのメーカーの機種に採用されている。
また、スマホカメラを語る上で必ずといっていいほど取りざたされるのが、HTCのUltraPixelとは対極の位置にある画質至上主義ともいえる、NokiaのPureviewだ。
カールツァイスレンズ搭載し、スマホカメラながら、静止画で4100万画素の圧倒的な画質。さらに動画も1080pで追尾オートフォーカス対応と、凄まじいスペックを誇る。この桁外れの画素数は、1ピクセルで7ピクセルぶんのデータを捉えることができるというアンチエイリアシングの方法の一つ「ピクセルオーバーサンプリング技術」なるものを採用したことで実現した。
そんな中、先日もサムスンが光学10倍ズームレンズ搭載スマートフォン「Galaxy S4 Zoom」を発表した。
同機種は、35mm 判換算で焦点距離 24mm から 240mm(開放 F 値は F3.1 から F6.3)の光学10倍ズーム レンズに加え、1,600万画素の裏面照射CMOS センサーなどを備えており、スマートフォンでありながら高性能コンパクトカメラ並みのスペックとなっている。見た目も、スマートフォンの背面から沈胴式ズームレンズが突出した異質なフォルムをしており、背面からだけ見るとまるで、スタイリッシュなコンデジのようにも見える。
確かに、スマホとコンデジを2台持ち歩かなくて済むのなら、ユーザーとしては嬉しい限りだが、そもそもスマートフォンにそれだけの高性能なカメラ機能は必要とされているのだろうか。この「Galaxy S4 Zoom」が、ユーザーにどのように受け止められるかが、今後のスマホカメラの指針になるかもしれない。(編集担当:藤原伊織)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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