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米国がついにシリア反体制派に武器供与 その背景と影響は?
米国は13日、シリア政府軍が内戦において、「複数回、小規模に」化学兵器を使用していたと断定した。攻撃を受けた反体制派兵2人の血液、尿、毛髪から採取されたサンプルの分析結果によるものであり、サリン成分も検出されたという。
米国のロードス国家安全保障副顧問は、少なくともアレッポ郊外ハン・アルアサルで3月19日、アレッポ周辺シェイフ・マクスードで4月13日、ホムス北部カスル・アブ・サムラで5月14日、そして東ダマスカスでの攻勢で5月23日、化学兵器が使用されたと例示した。
英国はすでにシリア政府軍の化学兵器使用を断定しており、米国の判断を支持した。フランスも同様の証拠を示しているが、政府軍が使用したものとは断定していない。国連は、正確にどのような化学物質をどちらの側が使用したのかについては、さらなる証拠が必要だとしている。
【反乱軍への武器供与:遅すぎ、少なすぎ】
この判断に基づいて米国は、政権側が「レッド・ライン」を越えたとして、反乱軍側への武器供与をCIAに命じたと報じられている。ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、機密命令である。
ニューヨーク・タイムズ紙によると、供与内容には対戦車兵器が含まれる可能性がある。ただし反乱軍は対空兵器を切実に欲しているが、それは今のところ供与検討されていないという。
また同紙は、イランなどから政府軍への大量の軍事援助からすれば、今さらこの程度の支援では「かすんでしまう」懸念があるという。
中東で新たな戦争に巻き込まれるのを嫌った米オバマ政権は、医療キットなどの支援は反乱軍に与えていたが、武器供与には慎重だった。
しかし、民主党員であるビル・クリントン元大統領が介入強化を示唆するなど、政権内でも意見は分かれており、英仏など同盟諸国や、劣勢にある反体制派からの要請も強かった。
なお国連は同日、内戦開始から27ヶ月で死者が9万人を越えたと発表していた。
【飛行禁止区域:広くしないと危険】
ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、米軍はホワイトハウスに対し、避難民および反体制派を保護するため、ヨルダン国境からシリア領内への「限定的な飛行禁止区域」の設定を提案している。ただし他紙は、ホワイトハウスはそれを却下したと伝えている。
限定的とはいえ、その維持監視には1日あたり5000万ドルを要するが、シリア全領空にそれを拡げるよりは安上がりである。すでにその場合に備え、米軍はパトリオット対空ミサイルとF-16戦闘機を現地に派遣したと同紙は報じている。
ただし、親シリア政権姿勢であるロシアがS-300長距離対空ミサイルなどを供与した場合、この程度の広さの飛行禁止区域では、監視する米軍機にとって危険だとも指摘されている。
【交渉による解決:アサドに勝ち逃げさせたくない】
ニューヨーク・タイムズ紙によれば米国は、従来の交渉による解決の努力を急減速させているという。
反体制派の指導者が幾度となく交渉を拒否してきた経緯もあるが、何より、現在政権側が優勢であるため、今和平交渉をすれば政権側から譲歩を得られないためだという。
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※この記事はNewSphereより提供を受けて配信しています。
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