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スターティア Research Memo(2):13年3月期は当初計画を上振れ、3期連続で最高益を更新
*19:32JST スターティア Research Memo(2):13年3月期は当初計画を上振れ、3期連続で最高益を更新
■2013年3月期の決算概要
スターティア<3393>の2013年3月期の業績は、売上高で6,640百万円(前期比30.6%増)、営業利益で656百万円(同42.9%増)、経常利益で655百万円(同37.8%増)、当期純利益で391百万円(同40.4%増)となった。
当該数値は5月1日時点で既に上方修正されておいたが、当初の計画を売上高で10%、営業利益で9%以上、当期純利益で30%以上も超過した。売上高は3年連続して2ケタの伸びを示して、この間に売上規模は3,300百万円から6,600百万円へとちょうど2倍に拡大した。営業利益、経常利益、当期純利益は売上高以上の増加率を示し、3年連続して過去最高益を更新している。
事業は順調に拡大している。ネットワーク機器のレンタルサービス「Digit@Link マネージドゲート(デジタリンク マネージドゲート)」(以下「マネージドゲート」)や、オンラインストレージ「Digit@Link セキュアSAMBA(デジタリンク セキュアサンバ)」(以下「セキュアSAMBA」)など、ここ数年で立ち上げた新規事業が主力ビジネスに成長して、いずれも大きく伸長したことが好調の要因である。2012年9月よりサービスを始めた社内ネットワークのトータルサポート「Digit@Link ネットレスQ(デジタリンク ネットレスキュー)」も、小規模企業からの保守サービス需要を取り込んで、早くもフロー型収益の拡大に貢献しつつある。
創業期からの主力事業であるビジネスホンの販売、コピー・ファックス複合機のレンタルサービス、および電話回線サービス「おとくライン」なども順調に拡大している。
ただひとつ、高成長の筆頭格だった電子ブック作成ソフト「Digit@Link ActiBook(デジタリンク アクティブック)」は、第3四半期に機能アップに伴って価格改定を行った結果、一時的に販売面での混乱が見られ、2012年10月に利益面で落ち込みが生じた。第4四半期にはそれまでの拡大基調に立て直したものの、それ以前の成長率が大きかったために一時的な落ち込みが目立ってしまい、通期での当該セグメントの落ち込みは避けられなかった。この点に関しては後述する。
ここ数年、特に力を入れてきた「ストック型サービス」の積み上げが本業部分を支えていることに疑いの余地はない。ストック型サービスの売上高は2013年3月期も前期比で34.6%増加し2,240百万円まで拡大した。全社ベースの売上高に占める割合も33.7%に達し、全体の3分の1はストック型サービスから稼ぎ出す体制になっている。
ストック型サービスとは、商材の販売が行われた時点で一度に売上高を計上するのではなく、サービスの提供期間に応じて分割して徐々に収益計上を行う事業モデルである。収益の計上時期を平準化する上で、単発での売上計上に比べれば数字の伸び率はダウンするが、それだけ事業の安定度が増すことになる。
安定成長を目指す体制に変化しつつある中で、2013年3月期は売り切り型のフロー型の収益が特に目立っている。これは「マネージドゲート」などのネットワーク機器の販売で好調に推移しており、フロー型の売上高は期初計画の3,818百万円に対して15%上乗せされて4,399百万円に達した。
ストック型の収益は、期初に立てた計画に沿って着実に積み上がっていく性質のもので、たとえば実績値が計画比の2倍まで跳ね上がるということは通常は起こりにくい。したがって収益を計画以上に伸ばすためにはフロー型の収益計上が必要になる。計画以上に増えた売上高の増加は、そのまま全社の売上高に予想以上に上乗せされるため、その点で2013年3月期の決算の好調はフロー型の収益が想定以上に伸びたという点が大きく影響している。
長期にわたる持続的な成長を目指す上で、同社がここ数年重点を置いている点は、新卒社員を含めた営業人員の強化である。2012年4月に65名の新卒社員を採用し、これで総従業員数が382名となった。2013年4月も新卒社員を含む87名の若手社員を採用しており、営業力の強化には余念がない。営業拠点も2013年3月期の上半期に開店した福岡支店に続いて、2012年10月には横浜支店も開店。2013年4月には新御徒町に東東京(ひがしとうきょう)支店をオープンした。主要都市に営業拠点を新設して若手社員を大量採用する方針も、すべてはストック型サービス比率の上昇による収益安定を意図している。
なお、2013年3月期の決算において特筆すべき点は、貸借対照表上に見られる変化である。豊富なキャッシュ創造能力を活かして長短借入金を完済した。元々財務体質は強固であったが、これで名実ともに無借金経営となり、総資産に対する純資産(自己資本)の割合は70.9%に達した。期末現預金も2,068百万円を抱えている。
現状の財務安定性とキャッシュ創出能力を持っていれば、事業拡張に向けた国内営業拠点の新設、海外企業との連携、新しい製品やサービスの開発、新規顧客開拓に向けた新しい施策投入など、さらなる事業拡大のために手を打つことは可能だろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 鈴木一之)《FA》
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