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伊勢化学は急反落も千葉地盤の資源株には原発再稼働関連思惑が底流=浅妻昭治
伊勢化学工業 <4107> (東2)は、22円安の666円と3営業日ぶりに急反落している。6月5日に原子力規制委員会が、原子力災害対策指針の改定を決定、原発事故時の甲状腺被曝を防ぐために原子力発電所から半径5キロメートルの地区にヨウ素剤の事前配布をすることとなったことから、ヨウ素を開発・生産する同社株に関連株買いが続いており、7月からの原子力発電所の新規制基準の施行に合わせて、電力各社から10基を超える原発再稼働の申請が予想されていることも、追い風となったが、きょう12日は、日経平均株価が、323円安と1万3000円台を割り続急落して始まっていることが波及、利益確定売りが先行している。
ヨウ素(ヨード)は、千葉県で開発されている水溶性ガスとともに副生するかん水に含有し、そこから精製・生産されており、同社株のほか千葉県を地盤とする資源株にも関連株思惑が底流している。ただ株価は、関東天然瓦斯開発 <1661> も、11円安の571円と3日ぶりに反落し、大多喜ガス <9541> (東2)、京葉瓦斯 <9539> (東2)は、まだ商いが成立していない。なお千葉関連の資源株ではないが、ヨウ素剤を生産・販売している日医工 <4541> は、29円安の2009円と続落している。
ヨウ素は、かつては海藻から抽出され、かん水からの活性炭法による生産に移行したが、伊勢化学は、1961年に世界初の「ブローイングアウト法」の実用化に成功し、純度の高いヨウ素を大量生産している。
同社の主力事業として業績を支えており、前12月期も、ヨウ素及び天然ガス事業は、売り上げが前々期比3%増、営業利益が同36%増と伸び、金属化合物事業が伸び悩んだのをカバーして、純利益が、13億200万円(前々期比57%増)と増益転換したのを支えた。今年4月開示の今12月期第1四半期(1Q)も、同事業は、前年同期比6%増収、20%営業増益と好調に推移しており、今期通期純利益が、16億円(前期比22%増)と続伸する原動力となる。
株価は、今期業績の続伸予想で年初来安値水準の500円台から底上げ、1Q好決算で年初来高値832円をつけ、半値押し水準まで調整した。PER10倍台、PBR0.9倍の割安修正で下値からのリバウンド幅を拡大しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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