シャープ、オーイズミなど/本日の注目個別銘柄

2013年6月10日 16:29

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記事提供元:フィスコ


<6753> シャープ 462 +61急伸。先延ばしされていた米クアルコムからの2回目の出資が24日付で完了すると発表、見直し材料となっている。新型ディスプレーの量産技術にメドがついたことが背景とされており、財務面への安心感のほか、業績の先行き期待なども高まる方向になる。また、本日は新興市場などが急反発、個人投資家のマインド改善なども支援材料と捉えられる。

<8604> 野村HD 759 +47買い先行。雇用統計を受けて米国株式市場が上昇、東京市場も大幅高スタートになっており、全体相場との連動性が高い大手証券株にもリバウンド期待が高まる展開へ。雇用統計を受けて、早期の量的緩和策縮小懸念が遠のく状況となっているもよう。また、同社に関しては、ドイツ証券が投資判断を「ホールド」から「バイ」に格上げ、目標株価も600円から900円にまで引き上げ。「貯蓄から投資へのシフト」に伴い、PERの拡大ステージへ向かうとの見方。

<8601> 大和証券G 854 +53買い優勢。地合い改善を映して、野村HD<8604>とともに強い動きが目立っている。同社に関しては、米バロンズ紙でも取り上げられており、買い材料視されているとの見方にも。同紙では、海外ファンドの株式部門責任者の見方として、日本の復活局面で収益を得るのに最適なのは同社であるとの指摘。また、経営に対する評価は一般的な日本企業と比べて高いとも。

<7011> 三菱重工 549 -34下落率トップ。米原発運営のSCEでは、廃炉を決めたサンオノフレ原発の2、3号機に関し、異常のあった蒸気発生器を製造した同社側と、損害賠償について協議する方針を明らかにしたと伝わっている。資金負担増への懸念や今後の米国における受注活動などへの影響を警戒する動きが先行へ。

<3436> SUMCO 1127 -47売り先行。先週末に第1四半期決算を発表、営業利益は41.5億円で前年同期比42.4%増益となったが、上半期計画比では進捗率は半分に達しておらず、市場予想も下回ったものとみられる。為替の影響を除けば、前四半期比、前年同期比でも減益とみられ、回復が想定以上に遅れているとの見方につながっている。

<2193> クックパッド 2840 +500ストップ高。先週末に決算を発表、営業利益は26.4億円で前期比37%増益、年間配当金は12.4期実績の3円から10円にまで引き上げるとしている。プレミアム会員数の順調な増加などが好業績の背景に。第3四半期までの実績からサプライズは乏しいと見られるものの、先週末にかけて警戒感が強まっていたなか、大幅な増配発表などがポジティブなインパクトにつながる形のようだ。

<6925> ウシオ電機 1284 +129大幅高。大和が投資判断を「3」から「2」へ格上げしており、評価の高まる展開になっているようだ。目標株価は1390円に設定しているもよう。EUV光源開発ビジネスの大規模縮小、円安効果、デジタルシネマランプ・半導体用UVランプの需要拡大といったカタリストが揃い、割安なPBR水準の是正が強まる可能性と。

<6428> オーイズミ 1005 +150ストップ高。カジノ関連としての期待感が再燃する展開に。先週15日の成長戦略第3弾では、カジノ解禁に対する具体的なコメントが示されず、失望感の強まる状況となっていたが、「戦略特区」の具体的な制度設計などはこれからでもあり、直近の株価下落は過剰反応といった見方にも。また、先週末には日本維新の会がカジノ法案を衆院に提出したとも伝わっている。

<2432> DeNA 2226 +194大幅高。発行済み株式数の3.88%に当たる520万株を上限に、自社株買いを実施すると発表している。取得期間は本日から7月31日まで。株価が安値圏にある中で、需給面での支援材料につながるとの期待が先行。JPモルガンでは、継続的な株式還元の取り組みが確認されポジティブと評価。なお、取得する自己株式は有効活用を図るもようで、消却の意向はないようだ。

<9509> 北海道電力 1189 -33さえない。みずほ証券では投資判断を「中立」から「アンダーパフォーム」に格下げ、目標株価を900円から700円にまで引き下げている。泊原発再稼働と料金改定で今期の赤字幅は縮小するものの、約600億円規模の経常赤字は残ると予想しているもよう。来期中の泊原発全基再稼働による黒字化などを考慮しても、現在の株価には割高感が残るとしている。なお、みずほ証券では、電力セクターの中で東京電力<9501>の投資判断も格下げ。《FA》

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