【相場熟者が答える投資相談】ナノキャリアを45万円で2株保有。値下がりしています、対応を

2013年6月9日 18:03

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  【問い】 ナノキャリア <4571> (東マ)を45万円で2株持っています。かなり下がっていますが、今後の見通しと対処方向をよろしくお願いします。

■政府の成長戦略にバイオ支援みられず、戻れば売却を

  【答え】 6月7日は、7万円安の24万4500円と連続ストップ安で4営業日続落し、調整色を強めています。5日に明らかになった成長戦略において、バイオ分野を支援する目新しい材料が見られなかったほか、「政府・与党は6日、審査手続きを簡素化し、早期実用化を可能にする薬事法改正案と再生医療新法案の今国会の成立を断念する方針を固めた」と読売新聞社が伝えたことから、失望感が広がり売り優勢の展開となっています。

  足元の業績、今3月期売上高は2億9700万円(前期比20.4%減)、営業損益は12億3800万円の赤字(同5億2600万円の赤字)、経常損益は12億4000万円(同4億3200万円の赤字)、純損益は12億6200万円(同4億8400万円の赤字)と赤字幅は拡大する見通し。無配継続を予想しています。

  株価は、同社が開発中の抗がん剤候補「NC―4016(開発番号)」について、製造方法に関する特許が欧州特許庁で査定を受けたことを手がかりに、バイオ関連人気に乗り、5月8日に上場来の高値56万3000円と買われた後、機能性タンパク質を発現する遺伝子を使用した遺伝子分野について日油との間で、独占的な再実施県を許諾する契約締結など好材料発表も上値は限定的でもみ合いとなっていました。

  また、今月は創薬ベンチャーのペプチドリームや、iPS細胞技術の研究を手掛けるリプロセルの新規株式公開を控えていることから、上値が重くなったバイオ関連を売却、新規株式公開株購入に向け現金化の動きが強まっています。需給面の改善と研究成果が業績に寄与する見通しがなければ、上値を試す展開は期待できにくい状況といえます。当面、日柄的にも値幅的にも調整が長引くことが懸念されますので、過度のリバウンドをあまり期待せず、小高い場面で売却を考えるところでしょう。(株式評論家・摩周湖)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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