全固体リチウム硫黄電池、質量エネルギー密度はリチウムイオン電池の4倍

2013年6月8日 18:11

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記事提供元:スラド

eggy 曰く、 米オークリッジ国立研究所(ORNL)の科学者らが、リチウムイオン電池のおよそ4倍の質量エネルギー密度を実現する全固体リチウム硫黄電池を開発したそうだ(Phys.orgの記事本家/.)。

このリチウム硫黄電池は、ORNLが新たに開発した硫黄を豊富に含む素材を正極に用いる。これにリチウムの負極と固体電解質を組み合わせることで、エネルギー密度の高い全固体リチウム硫黄電池を作成したとのこと。硫黄は非常に安価であるため、リチウムイオン電池と比較して大幅なローコスト化が可能になる。また、固体電解質を使用することで液漏れや発火の心配もない。今回開発されたリチウム硫黄電池は、摂氏60度で300回充放電を繰り返しても1グラム当たり1,200mA/hを保つ。これに対し、リチウムイオン電池の場合は1グラム当たり140~170mA/hが平均的だ。ただし、このリチウム硫黄電池の出力電圧はリチウムイオン電池の半分程度であることから、質量エネルギー密度はおよそ4倍になるとのことだ。

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