不測の事態に備えて整理整頓を

2013年5月26日 22:53

印刷

 読者のみなさんは急な予定の変更があった場合、どのぐらい容易に対応することができますか。私は娘がフェニックスで盲腸の緊急手術を受けることになったとき、このことに気付かざるを得ませんでした。

 娘は病院側の“単純な”手術だという説明を聞き、問題はないだろうと考えて臨みました。しかし、医者にとって単純なことが患者にとっても容易であるとは限りません。手術が終わると、娘は、5ポンド(約2.3キロ)以上の重さがあるものは持ち上げない、その週いっぱいは休む、運転はしないようにと注意を受けて家へ帰されました。

 けれども、生後8か月で体重が20ポンド(約9キロ)ある乳児を抱えている者にとって、それらの条件が“単純”だといえるでしょうか。

 私は優先度の高い活動を1日かけて仕上げてから、手伝いに飛んで行きました。ちょうどクリスマス前の時期だったので出張トレーニングも予定に入っておらず、比較的簡単に行動に移せたのは幸いでした。

 クリスマスの用事もそれまで時間的に余裕があるときに少しずつ片づけていたのでゆったりとした気持ちで出発し、その1週間だけでなく翌週家を訪れたゲストたちとも落ち着いて過ごせました。

 スケジュールが事前に埋まってしまい忙しくしているときに急に予定を変えるのは難しいはずです。しかし、選択の余地がないときもあります。常にものごとを整理しておかなければならないというのは、そういうことなのです。

 整理しておけば、急に回り道をしなければならなくなったときに受けるストレスがいくらか軽減されます。緊急事態とは本質的にストレスを引き起こすものです。そんな状況のときこそ、できる限り落ち着く必要があります。

 私が常日頃から “整理する”とはあらゆる機会に備えておくことだと言ってきました。緊急手術は“機会”の範疇には入らないかもしれませんが、私にとっては助けの手を差し伸べる機会でした。

 これが職場だったら、誰かが不意の事態で1週間か2週間会社を休まなければならなくなった場合、他の人たちが問題なくその人の仕事をカバーできるでしょうか。

 筆者主催の生産性向上トレーニングでは他の人を容易にカバーすることができるシステムを構築していますが、その中でもものごとが整理されていればこそ発揮できるアカウンタビリティ(職務の進行具合や優先順位等を説明する責任)が重要な柱のひとつになっています。

※この記事はKey Organization Systems提供の記事を財経新聞が日本向けに翻訳・編集したものです。

関連記事