【相場熟者が答える投資相談】東京建物を660円で2000株保有、売却したいのです

2013年5月26日 18:19

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 【問い】 東京建物 <8804> を660円で2000株持っています。いったん売却しようか迷っていますので、今後の見通しと対処方向をよろしくお願いします。

■PER43倍、割安感乏しく乗り換えも

 【答え】5月24日は、19円高の804円と反発しています。4月4日に発表した日銀の「異次元緩和」を背景に、4月8日に年初来高値999円と買われましたが、5月16日の早朝に発表された世界の機関投資家が運用上のベンチマークとしている株価指数MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)の構成銘柄に新規採用との発表も上値は限定的、債券市場で長期金利が急上昇(価格は下落)し、昨年4月5日以来1年2カ月ぶりに1%台に乗せたことを嫌気し、5月24日安値762円と調整。値ごろ感から買い戻しの動きが出ているようです。

 足元の業績、住宅事業において、多摩ニュータウン、WELLITH月島などの竣工引渡を予定、東京不動産管理(株)の連結子会社化等により増収となるものの、大手町SPC配当収入(約160億円)がなくなることから、今12月期売上高は2150億円(前期比10.7%増)、営業利益は210億円(同32.0%減)、経常利益は120億円(同44.8%減)、純利益は80億円(同21.9%減)と2ケタの減益を見込んでいます。

 株価は、日銀による「異次元緩和」に対する期待相場が終焉したと見ていいでしょう。債券から株式、国債から外債へ資金シフトが見られており、長期金利は上昇傾向となっています。有利子負債が4745億5300万円あり、金利負担を上回る増益を達成できるかが今後の鍵となります。足元の業績も悪く、今期予想PER43倍台と割安感も乏しく、次の下値圏に届けば、値ごろ感から買いが入る程度です。25日移動平均線が上値抵抗線として意識されてきましたので、現時点では上値を試す展開は期待できないないと思われます。いったん売却が賢明と思われます。業績相場への移行を睨み、好業績・割安株に乗り換えを検討すべきでしょう。(株式評論家・摩周湖)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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