【経営者の言葉】ケンコーマヨネーズの炭井孝志社長

2013年5月26日 18:17

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■「市場演出型企業」を掲げ、グローバル企業として成長目指す

  ケンコーマヨネーズ <2915> は、今年3月に創立55周年を迎えた。業務用マヨネーズ、ドレッシング、クッキンゴソース、ロングライフサラダ、タマゴ加工品など1700以上の商品数を誇る。たとえば、外食で新鮮なサラダを食べることができるのも、業界シェア44%を誇り、長期間保存のできる「ロングライフサラダ」による。その同社は、今、「市場演出型企業」を掲げ成長戦略を打ち出している。

  同社の炭井孝志社長は、「新しいサラダの領域の確立、市場演出型企業としての存在感アップ、グローバル企業への成長に向けて取組んでいます。この指針を実現させるため、(1)グローバル企業となる、(2)事業領域の拡大、(3)サラダ料理の確立・情報発信、(4)サラダカフェブランドの推進・浸透、(5)体制の強化、人材の育成――など5つの成長戦略を掲げ推進しています」という。

  とくに、グローバル化の展開については、「日本の食を世界へ、という目標で24カ国に輸出しています。中国浙江省杭州の新工場でマヨネーズ・ドレッシング・ソース類の生産を開始、さらに、中国に続く海外拠点としてインドネシアにおいて現地有力企業との合弁会社設立手続きが完了し今年7月の工場稼動の見通しです。インドネシアでは一般消費者・ホテル・レストラン向けにマヨネーズタイプを生産の予定で、生産能力は小袋(10グラム)を月136トン、1キログラムタイプ月104トンです」とグローバル展開に意気込みをみせている。

  一方、国内で注目されるのは『サラダカフェ』の展開と新工場。サラダカフェは現在の5店舗を首都圏、関西圏中心に合計30店舗を目指す。新工場では、静岡県富士市に建設中で、来年4月の稼動を目指している。45億円を投じる期待の工場で、タマゴの連続一貫生産体制が特徴で焼成たまごを年間6000トン生産する。これによって、現在の全国にまたがる本社6工場、連結子会社10工場の生産拠点がいっそう充実となる。

  人口減少と高齢化が急速に進む中で業務用食品市場を取り巻く環境は厳しさが予想されるが、「消費者の安全志向や健康志向はいっそう高まっています。また、世帯構成の変化など食生活の個食化や簡便化も進み、家庭内調理が減少する傾向にあり外食支出は増えていくものとみられます。こうしたなかで市場演出型企業としての存在感アップをいっそう目指し業績拡大に取組んでいきます」と自信をみなぎらせている。

  前期(2013年3月期)は5.1%増収、経常利益24.1%増益で1円増配して年21円とした。今期は円安の影響で原材料価格の上昇などはあるものの、1.9%増収、経常利益0.2%増益、1株利益99.9円の見通し。直近株価は867円(5月24日)。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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