メガバンク、シャープ、きんでんなど/本日の注目個別銘柄(5月16日)

2013年5月16日 16:53

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記事提供元:フィスコ

[本日の注目個別銘柄]

メガバンク

総じて軟調。前日には揃って決算を発表、実績値は想定線での着地となっているが、今期は各社ともに市場コンセンサスをやや下回る見通しとなっている。保守的な前提との見方もあり、サプライズは限定的と捉えられるが、株価も高値圏にあり、いったんは出尽くし感からの利食い売りが先行する格好のようだ。また、GDPの上振れは支援材料だが、本日は金利上昇の一服も上値抑制要因か。

6753 シャープ 487 +24

買い先行。一昨日の決算や中計発表を受けて、短期的な出尽し感が強まる形から、昨日は売りが優勢となっていた。本日はJPモルガン(JPM)の投資判断格上げが観測されており、一転して見直し買いの動きが優勢に。投資判断は「ニュートラル」から「オーバーウェイト」に格上げ、目標株価も400円から550円に引き上げている。売り推奨の投資判断が多くなっていた中、インパクトも強まる形か。市場の業績見通しが上振れ傾向にあること、円安の影響、受注獲得、債務返還に新たなメドが立つ可能性などを材料に、さらに上値を試す展開になると考えているもよう。

7733 オリンパス 3215 +500

ストップ高。前日に決算を発表、買い材料視されている。前期の営業利益は計画線での着地となった一方、今期は710億円で前期比倍増の見通し。市場コンセンサスはやや下回るものの、為替前提が1ドル=90円、1ユーロ=120円であるため、極めて保守的な計画と捉えられている。JPモルガンでは投資判断を「ニュートラル」から「オーバーウェイト」に格上げ、目標株価を2400円から3600円に引き上げている。映像事業など短期的な懸念が遠のいたことで、中期的にも経営戦略がさらに改善する可能性が見て取れたと。

1944 きんでん 863 +116

大幅高。自己株式の取得、並びに、自社株消却の実施を発表している。立会外取引で大株主の保有株を取得、取得株式数は発行済み株式数の12.14%に当たる3000万株、本日計画どおりに実施しているようだ。また、取得した株式を含め、発行済み株式数の18.01%に当たる4792.4万株を消却するとしている。短期的な需給好転にはつながらないものの、一株当たり価値の向上など、株主還元策としてプラス材料と捉えられる。また、前期末は従来予想比での増配も発表。なお、同時に発表した決算は、今期が減収減益予想だが、前期実績は上振れての着地に。

5334 日本特殊陶業 2065 +123

買い優勢。野村では、前日に開催された説明会を受け、投資判断を「ニュートラル」から「バイ」に格上げしている。目標株価は1340円から2400円に引き上げへ。発表されたFCパッケージの事業構造改革は、セラミック製品をコアとした高収益企業に進化していく起点になる公算が大きいと評価しているもよう。

7236 ティラド 351 +41

急伸。前日に決算発表、今期の大幅増益見通しが買い材料に。前期営業利益は26.4億円で前期比36%減益、従来予想の24億円は上振れて着地。今期は49億円で同86%増益の見通しになっている。四季報予想の28億円などは大きく上回る格好へ。海外市場の拡大が想定されているようだ。なお、最終損益は3.7倍に拡大予想で、PER水準は一気に10倍を割り込む状況になっている。

7873 アーク 271 -80

ストップ安。前日に発表した決算内容が嫌気される状況へ。前期実績は、特別利益の発生で最終損益こそ従来想定比上振れしたが、営業利益は49億円の従来予想を下振れる41億円となっている。欧州金型事業の低迷が主因のようだ。また、今期は36億円で2ケタ減益基調継続を予想。減益基調は想定されていたものの、最終利益5億円は想定よりも低水準とみられる。

3513 イチカワ 301 +80

急伸。昨日に決算発表、今期の大幅増益見通しがサプライズにつながっている。前期営業利益実績は7.3億円だが、一昨日に従来の3.8億円予想から上方修正している。修正幅は大きかったが、さらに今期は11.3億円、前期比55%の大幅増益見通しとしている。業績モメンタムの急速な好転と受け止められる形に。0.5倍を割り込んでいるPBR水準の割安感なども意識される。

5949 ユニプレス 2055 -422

大幅安。前日に決算を発表しているが、今期の業績見通しが嫌気される格好になっている。実績営業利益は160億円で前期比35%減益、従来予想の200億円を大きく下回った。今期は170億円で同6%増益見通し、220億円レベルの市場予想を下回り、経常利益は減益の予想となっている。円安メリットが大きいとされる自動車部品関連のなかでの、相対的な業績伸び悩みがネガティブに捉えられる。

2875 東洋水産 3475 +65

しっかり。前日に発表した決算が評価されている。前期営業利益は296億円で前期比16%増益、従来予想の270億円を上回る着地に。今期は310億円で同5%増益の見通し、市場コンセンサスは下回っているが、例年通り保守的との見方が優勢に。クレディ・スイス(CS)、JPモルガン、UBSなど、目標株価引き上げの動きが相次いでいる。JPモルガンでは目標株価を4200円としている。初めて中期目標を示したこともポジティブに受け止められているようだ。

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