【アナリストの眼】円安基調を好感して日経平均1万5000円を意識、テクニカル面では過熱感も

2013年5月12日 08:14

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

<相場展望>(5月7日~10日)

  来週(5月13日~17日)の株式市場は、引き続き強含みの展開となりそうだ。主要企業の決算発表がピークアウトしてやや手掛かり材料難の時期に入るが、焦点となる外国為替市場で円安の流れが加速する可能性もあり、日経平均株価1万5000円を意識する展開だろう。

  外国為替市場では、前週9日の海外市場で1ドル=100円の節目を突破して急速に円安方向の流れに傾いた。10日の東京市場では1ドル=101円台に円が下落し、10日の海外市場では1ドル=102円に迫る場面もあった。また10日~11日のG7財務相・中央銀行総裁会議では、日本の政策を注視する動きを強めているが、1日目の討議では特に円安についての議論はなかった模様だ。このため来週も円安基調に大きな変化はなく、1ドル=100円の節目を突破したことで円安方向の流れが加速する可能性もあるだろう。

  国内では主要企業の3月期決算発表が週前半にピークアウトして、徐々に手掛かり材料難の時期に入る。しかし円安進行で輸出企業を中心に収益の大幅改善が確認されており、円安方向の流れを好感する動きが引き続き優勢になりそうだ。また「5月に株を売り逃げろ」の経験則が意識される米国株式市場が堅調に推移すれば、さらに支援材料となるだろう。

  ただし、前週の急ピッチの上昇でテクニカル面の過熱感を強めているため、何らかのきっかけで不安定な動きになる可能性に注意しておきたい。物色面では引き続き円安メリット関連、アベノミクス成長戦略関連、そしてポジティブサプライズ決算銘柄への買いが優勢になりそうだが、一方で東証REIT指数は25日移動平均線を割り込んで続落し、不動産セクターでも上昇基調のチャートが崩れ始めている銘柄が見られる。またバイオ関連銘柄の値動きは一段と不安定さを増している。好決算を発表して急騰した銘柄では、一転して利益確定売りが膨らむ可能性にも注意が必要だろう。

  当面の注目スケジュールとしては、13日の中国4月鉱工業生産・小売売上高・固定資産投資、米4月小売売上高、14日のユーロ圏3月鉱工業生産、独5月ZEW景気期待指数、15日の日本4月消費動向調査、ユーロ圏第1四半期GDP速報値、米5月住宅建設業者指数、米5月ニューヨーク連銀製造業景気指数、16日の日本1~3月GDP1次速報値、米4月消費者物価指数、米4月住宅着工件数、米5月フィラデルフィア地区連銀業況指数、17日の日本3月機械受注、米4月景気先行指数(コンファレンス・ボード)、米5月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値などがあるだろう。その後は5月22日の日本4月貿易統計、米FOMC4月30日~5月1日分議事録公表などが予定されている(本紙シニアアナリスト・水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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