これまでの「何でも買い」から、好業績銘柄の「選別買い」へ=犬丸正寛の相場展望

2013年4月26日 16:09

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  来週(4月30~5月2日)は週のなかばから5月相場入りで、とくに、来週は営業日が3日間と少ない。週後半から連休明けには3月期決算の発表が本格化することから「決算にマトを絞った」展開が予想され、全体相場より個別物色が鮮明になるものとみられる。

  日経平均など相場全体を表す指標は基調は強いものの、個別銘柄の動きに比べると上値は重くなりそうだ。これは、(1)日経平均が昨年秋から約68%上昇と、上げピッチが速い、(2)足元では日経平均が30日線に対し警戒水準の9%乖離率に達している、(3)アメリカの景気に懸念がみられる、(4)アベノミクスではマーケット全体を押し上げる効果が先行したが、ここからは個々の企業業績が重要となっている、ことなどがある。

  とくに、アメリカは1~3月の企業業績がIT中心の輸出関連に陰りがみられる。アップルは10年ぶりに減益、キャタピラーも減益、IBMも芳しくないと伝えられている。欧州経済は金融不安は一巡とみられるものの、緊縮政策等で実体経済が悪化している影響があるようだ。中国も経済の減速が目立つ。3月にアメリカの新規雇用者数は2月に比べ大きく伸び悩んだ。まもなく発表となる4月の雇用者数が気になる。こういったことからNYダウは堅調な中にも波乱を含んでいる。NY高を期待した日経平均高は期待し難いのではなかろうか。

  国内ではアベノミクスの効果を計ることになるのが3月期決算といえるだろう。これまで、金融緩和、円安政策が日経平均に大きく作用してきた。これから、企業の3月期決算で、とくに2014年3月期の利益に対しどれだけの効果をもたすかが最大の見所である。

  突き詰めれば、日経平均ベースの2014年3月期予想1株利益が直近の594.8円(25日)に対し、どのていどとなるかである。予想1株利益が確定するのは5月中旬以降となる見通しで、それまでは個別で業績のよい銘柄を買う展開だろう。

  そして、3月期決算の発表が終了し、1株利益が良好ということになれば、アベノミクスの成長戦略と組み合わさり日経平均は上値を追うものとみられる。昨年秋から現在までの相場は、政権交代によって大前提が変わったことから、「何でも買い」だったが、これからは「選別買い」の局面を迎えているといえるだろう。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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