【経産省】「小規模企業活性化法案」閣議決定、TTP交渉(自動車、農業)

2013年4月22日 09:03

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  茂木敏充経済産業大臣は16日(火)記者会見で、冒頭、「小規模企業の事業活動の活性化のための中小企業基本法等の一部を改正する等の法律案」、いわゆる「小規模企業活性化法案」を閣議決定したことを発表した。

  大臣は「我が国420万の中小企業のうち9割を占める小規模事業者は、地域の経済や雇用を支える重要な役割を果たしている。しかしながら、資金、人材等の経営資源に制約があることなどにより、近年、企業数、雇用者数がともに減少しており、小規模事業者に焦点を当てて施策を重点的に講じ、その事業活動の活性化を図ることが必要である」と、この法案の趣旨を述べた後、具体的には「小規模企業の意義や施策の方針を中小企業基本法に規定するとともに、ITを活用した経営支援の推進、下請中小企業の取引先開拓支援、資金調達の円滑化等の措置を講じる」と説明した。安倍政権が最重要課題と上げる「経済活性化政策の」の一環として位置づけられている。

  記者会見ではこの後、TTP交渉について質問が集中したが、まず「自動車関連」で、「最大限米国の関税を維持するとか、韓米のFTAと比較してかなり譲歩したという印象を受けるが」との問いが飛んだ。

  それに対して茂木大臣は「今回の合意はTPP以前からアメリカが協議の関心を示してきた自動車等について合意をしたというもので、これはTPP交渉参加の大きな意義を踏まえつつ、自動車、農業という日米双方のセンシティブ分野のバランスを取る中で、総合的に判断したもの。米韓FTAの内容は、今回の日米合意と比較して、韓国の場合は米国自動車メーカーについて、メーカー当たり2万5,000台の米国安全基準の受け入れに合意しているが、我が国はこうした合意は一切行っていない。国民生活の安全に関わる事項は、原則曲げることはできないという立場を堅持している。

  さらに、米側の自動車関税の扱いについては米韓FTAを実質的に上回るものとされているが、米韓FTAでは、韓国についても自動車関税を撤廃する一方で、日米の場合は、そもそも日本には自動車関税がない。ゼロ関税の状態で、米国の一方的、片務的な撤廃になるという構造の違いがあり、今回の合意内容は、米韓FTAと比べて、不利な内容とは必ずしも言えないと考えている。いずれにしても、今回の日米交渉、そしてTPP参加という決断がなければ、米国の自動車関税は撤廃ということにはならなかったと考えている」

  だが、さらに記者の質問は「核心」へと迫る。「日米の合意の内容をよく読むと、日本には書いてあるのだけれども、アメリカに書いてない。アメリカに書いてあるけれども、日本の方には書いてないものがあるのが、これはどうしてか」と。

  茂木大臣はこう答えた。「アメリカは既にTPP交渉に参加をしていて、そのテキストも当然持っているわけだから、TPPの中で単純に取り上げる問題と、ある程度TPPの外で2国間協議をした方がいいであろうという項目がある意味整理できる立場にある。だが我が国の場合、これからTPP交渉に参加をする中で、TPP本体として扱う問題と例えばアメリカとの間で2国間で協議する問題はこれから整理をしていくことになると思われる」。これでは明瞭性を欠いた歯切れの悪い答弁としか言いようがない。

  記者の質問はさらに続く。「日本において自動車に関してはかなり具体的に書き込みがなされているが、一方で日本側が取りたい農業分野については、具体的に表記がされていない。これは矛盾ではないか」と。

  それに対する大臣の答弁はさらに苦しくなる。「米国との間でセンシティビティがあるということについては、確認がとれているが、ただ、この事項については、それ以外の参加国との協議も当然必要な項目で、我々としては、交渉の中で最大限の国益を追求していきたいというのが基本的な方針だ。そして(それはまだ手の内を明かしたくないということも含めて)様々な要素を検討した上でそうしている」。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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