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エアバス「 A350 XWB」今夏、いよいよ登場か?
「ボーイング787Dreamliner」および「ボーイング777」の両方と直接競合するために開発された、エアバス社渾身の最新型航空機「エアバスA350XWB」。開発段階ですでに、発注数でボーイング787に大きく水を開けられたこともあり、2006年以降、幾度となく設計変更を繰り返されてきた機体が、今夏いよいよお目見えしそうだ。
A350は、「エアバスA380」以来となる、同社の大規模な航空機プログラムであり、ライバルであるボーイング787に対抗する最新の省エネルギー機プロジェクトだ。エアバスが満を持して世に送り出すこの最新型航空機と、競合機であるボーイング787とのもっとも大きな違いは「XWB(エキストラ・ワイドボディー)」の名の通り、やや太めの機体が可能にした、ゆったりとした客室空間にある。
客室の胴体幅は、肘掛けから肘掛けまで220インチ/5.58メートル。競合機と比べて5インチ/12.7センチメートルも広くなっている。いうまでもなく、このカテゴリーでは最も広い座席だ。また、A350XWBファミリーの客室はモジュール型になっているので、簡単に座席仕様を変更することができるのも大きな強みとなっている。繁忙期やマーケットに合わせて座席を変更できるので、航空会社にとっては運航の柔軟性を高める意味でも、大きなメリットの一つになると考えられるだろう。
もちろん、デザイン面でも非常に優れており、上部空間が広くとられているので圧迫感の少ない印象になっているほか、窓や頭上手荷物のスペースも、従来よりも広くなっているという。
さらに、快適さを追求するためにガス・フィルターと、オゾン/揮発有機 化合物(VOC)コンバーターが取り付けられているので、客室内は常にクリーンな空気が確保できるうえ、従来よりも温度管理ゾーンが精密で、飛行中の湿度も一定に管理されるので、機内特有の乾燥に悩まされることもほとんど無いだろう。
空の旅で何を求めるのかは人それぞれだ。安さを求めるのか、快適さを求めるのか、それとも乗り継ぎなどの便利さを最も重要なポイントに置くのか。しかし、いずれにいても、とくに海外旅行などの長距離移動の場合、航空機での疲れは侮れない。レジャーでもビジネスでも、移動だけで疲れてしまって、楽しみが半減したり、力が発揮できなかったなんてことは、珍しくない。その点、エアバス社では「最も静かで最も快適な航空機である」と自負しており、競合機とも充分に渡り合えると、自信を覗かせている。
客席仕様は3クラス用意されており、通常は、航続距離約1万5380km/270客席の「A350―800」をはじめ、314座席の「A350-900」、350座席の「A350-1000」というシリーズ展開を予定している。
13年3月24日付の日本経済新聞朝刊によると、「日本航空<9201>は欧州のエアバス製大型旅客機「A350」を購入するための本格的な検討に入った。2017年以降に20機程度導入し、現行の大型機ボーイング777型機の後継機として欧米路線に就航させる計画」などと報じているが、翌25日には当の日本航空から「公式に発表したものではなく、現時点では決定した事実はありません」とする声明が発表されている。
真偽はともかく、A350が導入されれば、日本航空にとっても世界に向けての大きなアピールになることは間違いない。年内にも何らかの発表があるのか、それともやはり噂に過ぎないのか。続報に注目したい。(編集担当:藤原伊織)
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