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「川崎関連株」は第2の京橋関連か?含み資産株の「二の矢・三の矢」相場展開を強力フォローも=浅妻昭治
<マーケットセンサー>
「京橋関連株」、「堀留関連株」と聞いてピンとくるのは、相当のベテラン投資家、古強者である。関連株の二つや三つは、たちどころに諳んじてしてしまうに違いない。いずれも、あの1980年代の資産バブル時代に急騰した「含み資産株」の嚆矢となってバブル・マインドを痛く刺激した銘柄群である。
「京橋関連株」とは、東京都中央区の京橋に本社を置く蛇の目ミシン工業 <6445> 、片倉工業 <3001> 、日東紡 <3110> などの総称で、当時の東京都庁の移転・再開発計画をハヤして含み益が拡大するとして大きく株価位置を変えた。この急騰が、今度は、中央区堀留に本社を置く「堀留関連株」に波及し、さらに広くあの「ウォーターフロント株」の族生につながった。
蛇の目ミシンは、最後には恐喝事件の経済犯罪にまで発展したが、あのバブルの熱気は、証券マンが、会社四季報と株価チャートを都内地図に持ち替えて湾岸地帯を工場用地や倉庫用地を渉猟して、含み資産を勝手に計算、積み上げる「一億総不動産屋」化を促進した。
昨年11月の「アベノミクス」効果による含み資産株の急騰は、関連株買いが不動産株のみにとどまらず、周辺の倉庫株、海運株、電鉄株まで巻き込んでいることから、あの80年代の資産バブル時代を彷彿とさせるところがある。ただ、日経平均株価が、昨年11月から6割弱の上昇し、含み資産株にも買い疲れ感が出て、TOPIX Core30の主力株に買いが集中して急騰様相を強めているのをみると、さすがに含み資産株人気もこれまでとの弱気観測も聞かれることになる。
しかし諦めるのはまだ早い。主力株人気も、1ドル=100円を目前に為替相場がやや円高と変調して伸び悩んでおり、ここでもし、資産バブル時代と同様に「京橋関連株」のようなリード株が飛び出すようなら、含み資産株相場の先行きは、どうなるか分からない。なお第2ラウンド、第3ラウンドの強気相場が期待できることにもなる。となると、問題は、「第2の京橋関連株」が現れるかどうかにかかってくる。そこで「第2の京橋関連株」としてぜひ試してみたいのが、「川崎関連株」である。
「川崎関連株」は、すでに先発株が登場している。よみうりランド <9671> である。同社は、今年4月3日に同社レジャー施設の川崎競馬場(川崎区川崎区)内での再開発、商業施設建設を発表し、年初来高値739円まで150円高して、いったんは683円まで調整したが、なお700円台出没と強張っている。
同社株の急騰には伏線がある。国土建設省が、今年3月21日に発表した2013年の公示地価である。川崎競馬場から至近のJR川崎駅西口の周辺エリアの地価上昇率が、11.9%と全国の商業地で最高を記録したことである。同駅西口には、かつて東芝 <6502> が本社を置いた旧堀川町工場があり、同工場を2000年に閉鎖した跡地に同社と三井不動産 <8801> 、野村不動産ホールディングス <3231> の子会社が、大型商業施設「ラゾーナ川崎プラザ」を建設して2006年に開業、同跡地ではなおオフィスビルの再開発などが進んでいることが、地価上昇の要因となった。
ここまでこのコラムを書き進めてきて、「川崎関連株」は、4銘柄に上ったが、さらに手元の市街図を詳しくみると関連株は、さらに広がるのである。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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