重要それとも緊急の用件?――違いを見定め対応する

2013年4月12日 22:35

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 人は日々、すぐに注意を向けることが求められる仕事や用事、またはプロジェクトに直面しています。

 個人的な用事(出来上がったクリーニングを取りに行くこと)から職業的な用件(午後5時までに報告書を仕上げること)までさまざまな事柄が常に心にひっかかっています。

 どれをいつなすべきか、決めるのは簡単ではありません。そこで、優先順位を決めるために、重要なことと緊急を要することのどちらにも期限がある場合、その違いがどこにあるか、まず考えてみましょう。

 期限を意識してストレスが生じると、その仕事がどちらの範疇に入るかを決める際に影響を及ぼします。重要な用件とは、大きな価値を付加する仕事のことです。たとえその仕事が長期的な効果を生み出すとしても、差し迫った期限がなければ、完了させるまでの対応の仕方にいくぶんか気の緩みが混じることもあるでしょう。

 緊急の用件とは、たいていの場合、迫りくる期限があるもののことです。そのため、対応するときにはかなり緊張感が漂うはずです。

 取り掛かるのを先延ばしにしていて準備段階で必要なことをしていなかった(この場合、重要な用件が緊急の用件にすり替わる可能性もあります)、あるいはどこかでミスをしたせいでしなければならないことが増え、今はそれに対処せざるを得ないけれども、締切りはどんどん近づいて来る、といったことがあるはずです。

 緊急の用件の場合、締切りのことが頭から離れないので、心配になりイライラしやすくなります。こうなると仕事の質が低下するのが常で、それが巡り巡ってより不安感と焦燥感をあおることになります。

 集中することも仕事に優先順位を付けることもかなわず、絶え間なく危機管理の課題にぶつかっていると、ストレスが原因でアドレナリンが放出されます。アドレナリンには依存症を引き起こす作用があり、それは健康にいいことではありません。重要なプロジェクトに取り組むのを遅らせて緊急の問題に常に対応しなければならない日常を打破するにはある程度の労力がかかるでしょう。

 単にもっとも急を要する問題にではなく、もっとも価値のある仕事に必ず集中できるように仕事に優先順位をつけるためには、重要な用件が緊急の用件に切り替わる時を認識しておかなければなりません。

 そのためにはどうすればいいのでしょうか。可能なら、プロジェクトを細かい工程に分けてカレンダーにそれぞれの内容を予定として記してください。

 重要な仕事を完了させるためにつぎ込む時間と注意力が多ければ多いほど、仕事の質が高くなるはずです。

 事態が差し迫るまで待ったり、今対応を迫られていることに対処するどさくさに紛れてすべてまとめて無視したりすることは、時間を効果的に使ったことにはならないし、企業経営においても効果的な方法とは言えません。

※この記事はKey Organization Systems提供の記事を財経新聞が日本向けに翻訳・編集したものです。

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