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【相場熟者が答える投資相談】井関農機は好材料表面化でモミ合いへ移行も、中期では有望
【問い】 井関農機 <6310> を300円で3000株持っています。売却しようか迷っています。今後の見通しと対処方向をよろしくお願いします。
【答え】 3月15日(金)は14円安の356円と反落しています。
アベノミクスの「財政出動」「金融緩和」「成長戦略」という3本の矢の最後の成長戦略における農業強化策実施への期待感が先行、TPP参加に対する思惑から14日に昨年来の高値374円と買われていましたが、利益確定売り優勢の展開となっています。
政府はTPPに参加した場合の経済効果について、現在TPPに参加している11か国との間で関税がすべて撤廃された場合、安い輸入品によって消費が増加するほか、工業製品の輸出が増えることなどで、実質のGDP=国内総生産を3.2兆円(0.66%)押し上げる効果があるとする一方で、コメや小麦、砂糖など主な農林水産物33品目については、関税が撤廃された場合、国産から安い外国産に置き換わるなどして、現在のおよそ7兆円の生産額が減少すると伝わりました。このため、輸出入品目の増加で貨物船の需要が拡大するとの期待感が高まり海運株が買われる一方で、国内農業の低迷が続くとの懸念が強まり農業関連銘柄には失望売りが出たもようです。
足元の業績、国内では農機製品、作業機・部品、施設事業共に好調に推移。海外では北米向けの新商品とアジアでの販売が増加し、13年3月期売上高は1550億円(前期比6.7%増)、営業利益は55億円(同30.0%増)、経常利益は55億円(同41.1%増)、純利益は41億円(同50.3%増)と大幅増益を見込んでいます。続く14年3月期は増収増益が観測され好調が続く見通しです。
同社は需給思惑から動意付く習性があり、今回も特定筋の介入観測や海外著名投資家のジム・ロジャーズ氏が、日本の農業は魅力的とし、農業関連株を保有していることも明らかにしたことなども株価を刺激しました。
過去7年間、06年3月高値566円、09年8月高値477円と高値を形成しており、3年半周期で高値形成、トップラインを引いた場合、チャート的には、3月14日高値374円が当面の高値になる可能性が強まったといえます。13年3月期予想PER20倍台と妥当な水準まで買われた面もありますので、もみ合に入ると予想されます。農業強化は中長期にわたる重要なテーマに変わりありませんが、短期的には、いったん売却が賢明でしょう。今後、200円前後まで大きく調整、或いは566円を奪回するような場面があれば、大胆に買っていく位の気持ちで良いでしょう。(株式評論家・摩周湖)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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