【村山貢司の気象&経済歳時記】「スギ花粉症」がニュースに初登場して30年を振り返る

2013年2月1日 09:31

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  1月末に環境省から今年春のスギ花粉飛散に関する報道発表があった。今年は関東など東日本を中心に花粉がかなり多くなるという予想である。実はあの予測は筆者が作成したものである。

  スギ花粉症という言葉は今では当たり前になったが、ニュースに初めて登場したのは80年代半ばであり30年しか経過していない。この30年にスギ花粉症の患者は急増し、現在日本人のおよそ26.5%、3000万人を超える人が花粉に悩んでいることになる。

  花粉症に関する医療費も急増し、直接的な医療費だけで5000億円を超えている。しかし、飛散する花粉量は年によって大きく変るために花粉症の治療薬の売れ行きはそれに伴って変動するのが製薬メーカーの悩みの種である。しかし、市場が急速に拡大したために外資系の製薬メーカーの参入も激しくなっており、各メーカーの市場争いも激しくなっている。

  このように花粉症患者が増加した原因は木材需要を満たすために戦後大量に植林されたスギやヒノキが成長して花粉が多くなったためである。一方、スギを植えたことによって禿山になっていた日本の山に緑が復活した事実も忘れてはならない。

  世界を見ても荒廃した森林が人間の手によって復活した例は極めて稀であり、日本の林業技術には素晴らしいものがある。国内では木材の需要が低迷し、林業技術者が減少している。若い世代に技術を伝え、森林開発が続く途上国に技術援助をすれば、海外援助だけではなく雇用促進、温暖化対策など多くのメリットがあるだろう(気象予報士&経済評論家・村山貢司)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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