【編集長の視点】敏感相場では海外売り上げ比率上位銘柄に業績・株価押し上げ効果=浅妻昭治

2013年1月21日 10:58

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

<マーケットセンサー>

  まるで「マッチポンプ」か「政・党不一致」ではないか?今年1月16日の日経平均株価の急落と、18日の急反発の引き金となった「要人発言」である。16日は甘利明経済財政・再生担当大臣が、「過度の円安」を懸念する発言をしたのに次いで、石破茂自民党幹事長が、「円安で困る産業が出てくる」と円安をけん制し、菅官房長官の修正コメントにもかかわらず、円高修正が一服して日経平均株価が急落、18日は、今度はその当の甘利大臣が「まだ円高を修正する過程」と前言を翻して、日経平均は急反発したからだ。

  この「要人発言」の「マッチポンプ」は、かつて株式市場を騒がせた仕手相場の仕手本尊の常套手段を彷彿とさせるところがある。仕手本尊は、足手まといとなったチョウチン筋をふるい落とすために高値で突然、売り抜ける動きをみせたり、あるいは売りを誘って売り募った売り方を締め上げたりしたものである。まさか今回の「要人発言」が、そのような政策意図を持っていたり、同様な相場テクニックを駆使したとは、考え難いが、この「要人発言」で被害を受けた投資家も少なくないと想像されるのである。

  そう想像されるのは、東証株価指数(TOPIX)Core30の構成銘柄にアタックしていた投資家である。同指数構成の30銘柄のうち、今年1月に昨年来高値を更新した銘柄は、過半の16銘柄に達したが、このうち9銘柄が株不足でさらに6銘柄に逆日歩がついているのである。

  「要人発言」をキッカケこの売り方が、さらに高値で売り乗せているとしたら、それこそ目を覆いたくなるピンチとなるはずだ。売り方からすれば、為替相場を巡る「要人発言」により敏感、神経質となるとともに、次のヤマ場となるきょう21日から開催される日銀の金融政策決定会合での追加金融政策が、材料出尽くしで終わり、さらにほぼ同時にスタート3月期決算会社の4~12月期(第3四半期、3Q)業績が、株価に織り込み済みと評価されることを切に祈っているはずである。

  昨年2月13日~14日の日銀金融政策決定会合で決定された追加金融緩和策は、「バレンタイン・プレゼント」となって円高修正が進み、折からの3Q決算発表では3月通期業績の下方修正が相次いだが、それが逆に悪材料出尽くしとして株価は逆行高をした。売り方としたら、その悪夢に2度も苛まれるのは願い下げにしてほしい心境であろう。

  こうした売り方の恐れる相場シナリオが、正夢となるとしたら、もちろん相場の次のポイントは、日銀の追加金融緩和策を受けた為替相場の帰趨と、これに伴う3Q決算発表時の上方修正・下方修正の業績動向となる。為替が一段の円安に進むとすれば、これにより業績メリットを受ける銘柄の株価上昇に一段と弾みがつくのはいうまでもない。

  そこで今回の注目株としては、大手証券が、総売り上げに占める海外売り上げ比率の高い銘柄をスクリーニングしたなかから、このランク上位銘柄をぜひマークしておきたい。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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