日立エンジニアリング、原発作業用小型双腕重機型ロボットを開発

2012年12月10日 12:07

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原子力災害対応用小型双腕重機型ロボット「ASTACO-SoRa」(写真:日立エンジニアリング・アンド・サービス)

原子力災害対応用小型双腕重機型ロボット「ASTACO-SoRa」(写真:日立エンジニアリング・アンド・サービス)[写真拡大]

  • 「ASTACO-SoRa」の操作盤(写真:日立エンジニアリング・アンド・サービス)

 日立エンジニアリング・アンド・サービスは7日、原子力発電所の災害対応において建屋内作業の支援を目的とした小型双腕重機型ロボット「ASTACO-SoRa(アスタコ-ソラ)」を、日立建機と共同で開発したと発表した。今後、2013年からの福島第一原子力発電所での活用をめざし、模擬設備による運転操作員の訓練を進めていく。

 現在、福島第一原子力発電所の建屋内作業現場では、高い放射線環境下において遠隔操作で作業環境の調査・測定などを実施するロボットが投入されているが、今後はこれに加え、がれきの撤去、機材の搬送、遮蔽体の設置などを行うロボットの必要性が高まってくると予想されている。

 日立エンジニアリング・アンド・サービスはこうした必要性にこたえるため、日立建機と共同で原子力災害対応用小型双腕重機型ロボット「ASTACO-SoRa」を開発した。解体作業や災害救助支援などで実績のある日立建機の双腕重機「ASTACO」と、日立エンジニアリング・アンド・サービスの原子力施設における遠隔操作技術を融合し、広汎な作業に対応したコンパクトな多機能ロボットを実現した。

 今回開発したASTACO-SoRaは、幅980mmのコンパクトなボディーにより狭い通路でも走行できることに加え、アームを2本搭載することにより自由度の高い作業を可能にした。アームは高さ約2.5mまで到達でき、それぞれ最大約150kgの重量物を取り扱うことができる。

 また、掴み具・切断具・回転具・カメラ付長尺アームなど、アーム先端のツールを交換することにより広汎な作業に対応可能。遠隔操作においては運転操作員をサポートする機能を充実させ、高い操作性を実現している。

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