【アナリストの眼】引き続き新政権期待相場、14日の「SQ」に思惑も

2012年12月9日 12:29

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

<相場展望>

  来週(12月10日~14日)の株式市場については、引き続き強基調の展開を想定する。国内の衆院選後の新政権に対する期待感と米国の「財政の崖」問題に対する警戒感との綱引きとなり、為替の円高修正トレンドの動向や、週末14日の先物・オプションメジャーSQ(特別清算指数)算出に向けての思惑も交錯するが、大勢としては新政権に対する期待感が優勢だろう。

  前週(12月3日~7日)は、日経平均株価が週間の終値ベースで前週末比81円38銭(0.87%)上昇した。為替の円高修正トレンドがやや一服したが、主要メディアが衆院選の序盤の世論調査結果として「自民党単独過半数の勢い」と報じたことなどで、新政権による金融緩和政策や財政出動政策に対する期待感が優勢だった。物色面で見ても輸出関連・景気敏感関連の主力大型株と、内需系中小型株や中低位材料株の好循環が目立ってきた。売買代金を見ても海外からの新規資金流入が続いている可能性があるだろう。

  国内要因に関しては、衆院選が16日の投開票に向けて後半戦に入る。序盤の世論調査では「自民党単独過半数の勢い」とされ、その後の支持率の変化なども焦点となるが、引き続き安倍晋三自民党総裁の発言が注目され、衆院選後の新政権を睨んだ期待感が優勢だろう。さらに翌週19日~20日の日銀金融政策決定会合に向けて、追加金融緩和期待が高まる可能性もあるだろう。こうした期待感優勢の流れが継続しそうだ。

  海外要因では、やはり米国の「財政の崖」問題の進展状況が最大の焦点となる。最終的には妥協案をまとめざるを得ないという見方が優勢とはいえ、前週までは目立った進展がなく債務上限引き上げ問題も意識され始めている。タイムリミット直前までチキンレースが繰り広げられる可能性が高いだろう。ただし前週末7日の米11月雇用統計が堅調な内容だったことや、11日~12日の米FOMC(連邦公開市場委員会)でのQE3(量的緩和策第3弾)の延長・拡充に対する期待感などで、7日の米国株式市場は概ね堅調な展開だった。引き続き米国株式市場や外国為替市場で警戒感を強める動きがなければ、国内要因優勢の日本株式市場への影響は限定的だろう。

  ユーロ圏に関してはギリシャ不安が後退して関心が薄れている。前週6日のECB理事会では経済成長見通しを下方修正したが、外国為替市場の反応は限定的だった。中国に関しては主要経済指標で景気底入れ感を強めてきたが、一方では人件費高騰の影響が懸念される可能性もありそうだ。新体制移行後の経済政策に関しては消化不良の状況が続くだろう。北朝鮮の衛星打ち上げ(10日~22日の間)については、4月の打ち上げ時と同様に影響は一時的・限定的との見方が優勢のようだ。

  その他の注目スケジュールとしては、9日の中国11月主要経済統計(PPI・CPI・鉱工業生産・小売売上高・固定資産投資)、10日の日本10月経常収支、日本7~9月期GDP2次速報値、中国11月貿易統計、11日の米10月貿易収支、12日のOPEC総会、13日の米11月小売売上高、13日~14日のEU首脳会議、14日の日銀短観(12月調査)、米11月鉱工業生産・設備稼働率などがあるだろう。その後は19日の日本11月貿易統計、韓国大統領選投開票などが控えている(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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