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デジタル医療機器等の市場拡大を睨み、加速するパートナー選び
世界最大の医療機器展示会「MEDICA」が本日17日までドイツで開催されている。11月14日に開幕し、今年は世界70カ国から約4500社が参加。昨年よりも出展社が約200社増となるなど年々注目度が高まっている。その要因の一つが、デジタル医療機器やデジタルヘスルケア機器の進展と市場の拡大であろう。これまで医療機器等を手掛けて来なかった半導体メーカーやIT関連企業も参入を図っている。こうした状況は日本企業に関しても例外ではなく、各社がこの市場に向けた動きを活発化させている。
市場参入・本格展開に向けた日本企業の動きとして最も多く見られるのが、ノウハウなどを持った他社との業務提携である。例えば今年9月には、オリンパスとソニーが業務提携を実施。オリンパスの有するレンズ・光学技術や市場でのブランド力・技術開発力及びグローバルな販売・マーケティング力と、ソニーの有するデジタルイメージング技術を始めとした幅広い技術を融合させることにより、医療機器分野における両社の価値向上を図っている。
また10月にはニチイ学館と日本マイクロソフトが、医療環境支援サービスの提供に向けた業務提携を実施。医療の情報化が重要視される中、電子カルテなどの機器を導入していない医療機関は多く、また導入していても、複数システムを連携させる互換性の難しさやシステムを使いこなせる人材の不足が普及の足かせとなっているという。こうした現状を打破すべく、医療機関に多くの人材を送り込むニチイ学館と、グローバルなICT技術や経験・ノウハウを持つ日本マイクロソフトが、相互の長所を活かし短所を補完し合う形で手を組んだと言えるであろう。
一方、自社商品の市場拡大のために提携する例も見られるようになってきた。例えば、11月8日に発表された、ロームとイタリアの製薬最大手メナリーニ傘下の診断機器販売会社メナリーニ・ダイアグノスティックス社との販売提携だ。ロームは2008年に半導体事業で培った微細加工技術を活かし、わずか1滴の血液で糖尿病や感染症、動脈硬化などの検査が行える微量血液検査システム「バナリスト」を商品化。小型かつ短時間での診断が可能なことから国内で順調に売り上げを伸ばしていた。今回の販売提携により、ほぼ欧州全域をカバーする19カ国もの販売ネットワークが構築できたことになる。ロームは、欧州での販売を皮切りに、順次、アジア・北米市場へも販路を拡大する予定だという。
デジタル医療機器市場は、スマートフォンやタブレットPCの市場同様に魅力的な市場である一方、畑があまりにも違うため、参入は容易ではないが、これまで日本が培ってきた高い技術が活きる市場とも言える。こうした中でイニシアティブを握って市場を牽引するこができれば、今後、日本を支える市場にまで拡大する可能性もあるのではないだろうか。
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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