ダンスで復興支援、東北3県で踊育(だんいく)を実施

2012年11月12日 11:00

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記事提供元:エコノミックニュース

 現在、学校教育の体育授業におけるダンス必修化に伴い、全国で学校教員向けのダンス研修会や児童向けのダンス授業が開催されている。この授業をサポートしている、公益社団法人日本ストリートダンススタジオ協会が、岩手県、宮城県、福島県にて、「踊育(だんいく)‐東北ダンスプロジェクト‐」をダイドードリンコの支援により実施している。

 同プロジェクトでは、震災で元気をなくしてしまった子どもたちに、「ダンスを通じて明るく元気になってほしい」との願いから、「大きな声を出して、元気よく踊る」ということをテーマに、東北3県にて約30校の幼稚園、保育園、小学校等に日本ストリートダンススタジオ協会からプロのダンスインストラクターを無料で派遣し、ダンスの授業を実施。東北での実施は初めてであり、現在も実施希望校を募集している。また、ダンスの指導に不安を感じがちな教員向けへの研修会も、同時期に実施。文部科学省、岩手県・福島県及び石巻市の教育委員会が後援する。

 10月31日、日本ストリートダンススタジオ協会代表理事の吉田氏とダイドードリンコ経営企画部長の長谷川氏が、石巻市教育長の境氏へ表敬訪問を行った。境教育長は「大潮時の浸水等の影響で、住居や学校の高台移転を計画中である。児童が運動する場所も限られている為、今回のダンス授業支援は大変ありがたい活動であり、教育委員会としても正式に後援認定させていただいた」と語り、「学校教育でのダンス授業必修化を踏まえ、全国の学校へダンス講師を派遣する活動を支援しているが、今般東北を支援したいDyDo側と意向が一致した」(吉田氏)、「東北にはビジネスのご縁もあり、震災直後は迅速に義援金や飲料のご提供をしたが、継続的な支援も必要と考え、当社が今年始めた地域コミュニティ貢献積立金を東北地域活性化に役立てて頂く為、学校ダンス授業への支援を検討していた」(長谷川氏)と各自、思いを述べたという。

 震災から1年半が経過したが、復興という点ではまだまだ、進んでいるとは言い難いのが現状だろう。石巻市の沿岸部は地盤沈下しており、大潮の満潮時には浸水する為、日常生活が困難であり、学校は津波の危険を考慮し、高台の学校に統廃合する予定だという。復興支援の形は様々だが、こういった心のケアも含まれた取り組みを継続化していくことが、必ずや東北の再生に近づくと考えられる。

※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

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