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【アナリストの眼】業績下振れ懸念で売り込まれた銘柄にはアク抜け打診買いも
<相場展望>
■中国の経済指標発表が相次ぐ、欧州は落ち着きも
来週(10月15日~19日)の株式市場は、仕掛け的な動きに注意が必要となるが、全体として方向感に乏しく、好業績見通しの銘柄を個別に物色する動きが強まりそうだ。大勢としては米国株式市場、中国株式市場、外国為替市場など外部要因次第の展開に大きな変化はなく、主要企業の7~9月期業績発表を迎えて、通期見通し下振れに対する警戒感をどの程度織り込んでいるかが焦点になるだろう。
先週(10月9日~12日)は、週初に日系自動車メーカーの中国での9月新車販売台数が明らかになり、あらためて中国リスクが警戒された。米国株式市場の上値が重くなったことや、外国為替市場でやや円高方向に傾いたことも弱気心理に繋がった。また週末12日のオプションSQ対する思惑もあり、総じて弱含みの展開となった。ただし週末12日には、ファーストリテイリング <9983> とソフトバンク <9984> の2銘柄の大幅下落で日経平均株価が押し下げられたが、一方では鉄鋼、自動車、機械、電機、海運など業績下振れ懸念で売り込まれていた輸出関連、中国関連、景気敏感関連は概ね堅調な動きとなり、TOPIXは4営業日ぶりに反発した。こうした状況を見ると、通期見通し下振れに対する警戒感はかなり織り込まれたと考えられる。
来週の注目スケジュールとしては、13日の中国9月貿易収支、15日の中国9月PPI・CPI、米9月小売売上高、米10月ニューヨーク州製造業業況指数、16日の米9月消費者物価指数、米9月鉱工業生産・設備稼働率、米10月住宅建設業者指数、17日の米9月住宅着工件数、18日の中国9月鉱工業生産・小売売上高・固定資産投資、中国7~9月期GDP速報値、米9月景気先行指数(コンファレンス・ボード)、米10月フィラデルフィア地区連銀業況指数、18日~19日のEU首脳会議、19日の米中古住宅販売などがあるだろう。また米国の主要企業の決算発表では、16日のインテル、17日のバンク・オブ・アメリカ、18日のグーグルなどが注目されるだろう。
景気減速に対する警戒感はある程度織り込み済みであり、米主要企業の7~9月期決算に対しても事前の市場の期待値は低下しているため、余程の弱い内容で為替が円高方向に傾かない限り、市場の反応は限定的だろう。逆に米国景気の堅調さが確認されて為替が円安方向に傾けば、市場に安心感が広がるだろう。EU首脳会議でのスペイン支援要請やギリシャ第2次金融支援に対する期待感、10月末の日銀金融政策決定会合での追加緩和に対する期待感が高まる可能性もあるだろう。
物色動向としては、好業績見通しの銘柄を個別に物色する動きが強まるが、国内個人消費にやや減速感が見られるため、小売セクターなどでは慎重な通期見通しを示す可能性が高く、株価が堅調に推移していた銘柄には失望感が広がりやすいだろう。一方で、業績下振れ懸念で売り込まれていた銘柄には、アク抜けを期待した打診買いが入りやすいだろう。前週後半には半導体製造装置関連が買われており、徐々に物色シフトの動きが始まる可能性もあるだろう(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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