丸紅、東芝などとベネズエラで国鉄向け近郊型電車13編成を共同受注

2012年10月11日 11:00

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記事提供元:エコノミックニュース

 丸紅が、日本車輌製造および東芝と共同で、ベネズエラ国鉄より近郊型電車13編成(52両)の供給案件を受注したと発表。車両部分は日本車両、電機制御部分は東芝が担当し、完成車両を納入するもので、納期は30ヶ月を予定している。

 丸紅は、1992年と2004年の2度にわたる受注契約により、イタリア、ベネズエラ企業との国際コンソーシアムの一員として、ベネズエラ国鉄に対し、首都カラカス市と近郊衛星都市クアを結ぶ42kmの路線に、日本車両と東芝製の車両13編成(52両)を供給し、また、車両保守工場・基地設備、信号・通信・駅内サービス関連設備、予備品を納入している。今回の受注は、同路線への増備車両の納入で、カラカス近郊における慢性的な交通渋滞解消を目的としており、ベネズエラ国鉄の乗客輸送能力を大きく改善することが期待されているという。

 今回の案件は、丸紅の鉄道プロジェクトにおける機器調達、プロジェクトマネージメント・ファイナンス組成能力と、日本車両・東芝の優れた設計、高い技術力、既存車両の性能が高く評価されたものと言える。現在ベネズエラ・ボリバル共和国では、13000kmの国家鉄道網整備計画が進められており、丸紅はこれまでの実績を強みに、今後の新線計画においても受注獲得を目指す。

 7月には日立製作所が、英国運輸省の都市間高速鉄道計画につき、日立が出資する特別目的会社「アジリティ・トレインズ社」を通じて、約30年にわたり英国主要幹線を走行する車両のリース事業を展開、合計596両におよぶ車両の製造並びに、27年半にわたる保守事業を一括受注したと発表するなど、着実に鉄道事業の輸出が広がっている。高い技術力を背景に、世界市場においてどこまで鉄道事業の輸出を広げることができるのか。期待が高まるところであろう。

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