【話題】健闘する外食産業:8月の売上が2ヶ月ぶり増加、洋風上回る和風の伸び

2012年9月30日 17:43

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

■銘柄選別で益々強まる「月別売上」

  個人消費にやや減速感が見られ、厳しい残暑の影響で秋物商戦の苦戦も警戒される中、外食産業が健闘している。

  日本フードサービス協会(JF)が9月25日に発表した2012年8月外食産業市場動向調査によると、8月の全体売上高(延べ226社、速報値)は前年比2.3%増加して2カ月ぶりの増加となった。客数は同3.6%増加、客単価は同1.3%下落だった。月前半にはロンドン五輪開催の影響で外食を控える動きが見られたうえに、西日本の一部地域では台風や局地的豪雨の影響を受けた。しかし全体として見れば、前年に比べて震災後のイベント自粛ムードが一巡したうえに、特に北日本と東日本で暑い晴天日が多かったことで涼を求める動きが強まったようだ。

  業態別の売上高伸び率を見ると、ファストフードは同2.3%増加(洋風が同0.4%減少、和風が同3.1%増加、麺類が同9.9%増加、持ち帰り米飯・回転寿司が同1.3%増加、その他が同9.6%増加)、ファミリーレストランは同2.6%増加(洋風が同0.4%増加、和風が同3.5%増加、中華が同2.0%増加、焼き肉が同14.8%増加)、パブ・居酒屋は同横ばい(パブ・ビアホールが同7.9%増加、居酒屋が同1.3%減少)、ディナーレストランは同6.6%増加、喫茶は同2.2%増加、その他は同1.8%増加だった。猛暑好天の影響で、ビアガーデンやアイスクリームなどの好調が目立ったようだ。居酒屋はロンドン五輪の影響を受けた模様だが、新メニュー効果などで回復の兆しも見え始めたようだ。

 もちろん、企業別に既存店売上高の伸び率、新規出店動向、3~5月期または4~6月期の業績動向などを見ると、勝ち組と負け組の二極化も進んでいるだろう。ただし全体として見れば、春は食材となる野菜価格の高騰、夏は7月の天候不順や8月前半のロンドン五輪による外食控えなど、マイナス影響を受けた企業が多いだろう。しかしロンドン五輪が終了した8月後半以降は、残暑が厳しい中で涼を求めて客足が回復しているうえに、野菜価格の下落によるコスト面の改善効果も期待されるだろう。

 さらに今後、冬場に向けて全国的に電力不足が続く状況下、各家庭で節電を励行するため電力使用量が増加する夕食の時間帯に、家族で食事に出掛けるケースが増加することも予想される。冬場の節電関連としても注目されそうだ。日本マクドナルドホールディングス <2702> 、カッパ・クリエイトホールディングス <7421> 、サイゼリヤ <7581> 、ハイデイ日高 <7611> 、ロイヤルホールディングス <8179> 、王将フードサービス <9936> など、家族で気軽に食事のできるファストフード業態やファミリーレストラン業態を中心に、各企業の月次動向に注目しておきたい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

【関連記事・情報】
【村山貢の気象&経済歳時記】「台風」が経済に与える影響も年々、グローバル化の傾向(2012/09/30)
【今日の言葉】古都で味合う和食(2012/09/28)
犬丸正寛の相場格言~データでは説明できない先人の知恵をもとに株式投資で大成功~(2012/02/02)
株式評論家・浅妻昭治のマーケットセンサー(銘柄発掘の王道を伝授・注目株厳選)メルマガがスタート!登録受付中(2012/02/02)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事