[仕事術]整理できないことに気付くことが、タイムマネジメント第一歩

2012年9月11日 19:19

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 下にご紹介する内容は筆者に送られてきたものです。同時に、タイムマネジメントスキルをよりうまく実行するには、この状況にどう対処すべきかという質問も寄せられました。

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 私の知り合いに“十分示し合わせたように整理収納できないで賞”を受賞するにふさわしい夫婦がいます。夫の“ジャック”は事業家で、自宅でコンサルティング業を経営しています。美しい妻の“ベティ”は素晴らしい教師ですが、主婦にはあまり向いていないようです。そして二人とも重要な文書や資料を保管する手立てを持っていません。これでは厄介ごとが起きるのを待っているようなものです。――実際に起こっています。ほとんど毎日のように。

 ジャックは視覚型の人間で、自分が取り組んでいるものが何であれ、それを見ることができる状態を好みます。関わっているプロジェクトが多いため、流れを把握しておかなければならないこともたくさんあります。書類はすべて乱雑に山積みされ、仕事部屋の平らな面は余さず覆われています。ジャックは自分の書類管理の仕方を “どこかその辺に法”と笑いながら呼び、どんな書類や資料でも必要なときに取り出せると言い張ります。

 厄介なのは、何かを捜すとき、少なくとも書類の山一つは全部見なければならず、30分はかかるということです。そして、たいていの場合、たった一枚の書類を捜す途中で、確認を要する事柄が書いてある別の書類を見つけてしまいます。そしてそのまだ終わっていないその案件を終わらせるために、探し途中だったものは保留にされるのです。

 ジャックが書類管理と呼ぶやり方の唯一良い点は、小さなうれしい発見をたくさんすることで自分が達成感を感じられることです。自らの在宅ビジネスは傾きかけていますが、ジャックは職を変えるつもりはありません。

 ベティは気づかないうちにどんどん積み重なるジャックの厄介ごとの共犯者になっています。使い勝手の良い書類管理方法に変える時間はとろうとしないのに、ジャックの書類の山を移し替える時間はあるようです。

 書類の山一つをどこに動かすべきか、とか、その山の上に置く他の書類の山はどれにするかなどを決めるのはベティにとって難しいことではありません。山の一番上に置かれた書類に書いてあるものを見て、それによって山を動かすのです。

 ジャックは整理する必要はないと確信しているようです。どこに何があるか全部わかっているからです。そしてベティは自分がジャックの仕事場を通るたびに書類の山が動かされることで整理はできていると感じているようです。

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 パートナー(この場合は妻)やアシスタントの人にとってこの問題に巻き込まれることがどんなに難しいことか、筆者は理解できます。まず忠告することは、変えようという意思がない人やその必要性を見いだせない人に、“整理させる”ことはできないということです。それが良いことだとわかっている時でさえ変化を好む人はいませんし、変えたことを持続させるために習慣に発展させるには時間がかかるからです。

 ジャックとベティは自分たちのやり方がいかに非生産的か気付く必要があります。オフィス整理のプロセスを利用すると何が違うかはっきりと示せて、二人がやる気を起こせば、その後、生産性を増加させる方法を教えることができるでしょう。

※この記事はKey Organization Systems提供の記事を財経新聞が日本向けに翻訳・編集したものです。

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