三菱マテリアル、自動車からの希少金属回収技術開発がNEDOの助成事業に採択

2012年9月10日 13:54

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 三菱マテリアルの資源・リサイクル事業本部では、ホンダトレーディング、マーク・コーポレーション(三重県鈴鹿市)と協力して、これまで使用済み自動車のモーターからレアアース磁石を回収するためのリサイクル技術開発を進めてきたが、今回、経済産業省が取り組む「希少金属代替材料開発プロジェクト」の一環として、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「使用済みモーターからの高性能レアアース磁石リサイクル技術開発」事業の助成事業テーマとして三菱マテリアルが提案した「使用済み自動車からの希少金属回収技術開発」が採択されたと、10日発表した。

 さまざまな電動部品を搭載するハイブリッド自動車には、ネオジムやジスプロシウム等のレアアースや希少金属が使用されているが、レアアース等はその希少性や偏在性から資源枯渇の可能性や価格高騰などが懸念されており、安定調達が喫緊の課題になっているものの、現状はリサイクル技術が確立されていない。

 このため、家電リサイクル会社5社を運営し、家電由来のレアアース磁石のリサイクルを展開する三菱マテリアルは、レアアースのさらなる安定確保という社会的要請に応えるため、資源の安定確保を図るべく、世界に先駆けて使用済みハイブリッド自動車からのレアアース磁石の回収技術の開発およびリサイクルシステムの実証に着手した。

 ホンダ製のハイブリッド自動車を中心に、駆動用モーターを取り出し、レアアース磁石を効率的に回収するための技術を開発するため、ホンダトレーディングが自動車回収システムの実証協力を、マーク・コーポレーションが回収した部品などの前処理実施協力および実証設備の設置協力を、三菱マテリアルが事業実施主体としてリサイクル技術開発を実施し、実証設備の設計製作および実証試験をそれぞれ担当し、使用済みハイブリッド自動車を回収するプロセス等を含めたリサイクルシステム全体の設計、実証を行っていく。

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