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東レがUAEで海水淡水化プラント向けに「逆浸透膜」を受注
東レが、アラブ首長国連邦(UAE)のアル・ザウラ(アジュマーン首長国)ならびにガリラ(ラス・アル・ハイマ首長国)の海水淡水化プラント向けに、相次いで逆浸透(RO)膜納入の受注をしたと発表。2つのプラントの合計造水量は11.3万m3/日で、いずれも来年度の稼働開始予定だという。
近年アラビア湾岸諸国では原油価格高を背景に、旺盛なインフラ投資が行われ、特に飲料水確保のための海水淡水化プラントの建設計画が多くある。アラビア湾では温度が35度以上の高温で、かつ塩分濃度も日本近海の1.5倍に当たる5%近い高濃度の海水であることから、海水淡水化技術ではエネルギー多消費型の蒸発法が主流で、RO法は運転が困難とされ採用は限定的であった。
こうした中、東レは、既にこのアラビア湾でバーレーン・クウェート・サウジアラビアなどの海水淡水化プラントへもRO膜を納入しており、業界でトップの納入実績を有している。UAEのアラビア湾内では今まで大規模ROプラントは建設されてこなかったものの、新たなプラント建設に当たって東レが納入した苛酷な海水域での実績を買われて今回の受注に至った。
世界のRO膜市場は、世界的な水不足の深刻化や環境に配慮した水資源確保の要請等から、成長を続けている。用途では従来の海水、かん水淡水化による飲料用途や工業用純水用途に加えて、都市下水・産業廃水再利用、農業用水などに用途が広がりつつあるとともに、地域的には従来の欧米、中東・北アフリカ、中国を中心に着実な成長が予想される一方で、インドや南米といった新興国における需要拡大も期待されている。東レの海水淡水化分野におけるRO膜の累積出荷実績は6百万m3/日を超え、この分野でトップシェアとなっている。東レが、そして日本企業がこの分野で今後も世界を牽引してゆけるのか、注目が集まるところであろう。
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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