帝人、中国にポリエステルのケミカルリサイクル事業合弁会社を設立

2012年8月10日 10:39

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 帝人は9日、中国でポリエステルのケミカルリサイクル事業を展開する合弁会社の設立を決定し、中国の有力企業である精工集団と合弁契約を締結したと発表した。

 今回の取り組みは、今年3月に中国化学繊維工業協会と合意した、中国における相互発展を目指した相互連携プロジェクトの第一弾であり、環境経営に注力する有力企業である精工集団との共同により、中国において新たに循環型リサイクルシステムの構築を目指すもの。

 精工集団との共同出資により、中国最大規模の繊維製品産地である紹興市に、ケミカルリサイクルおよびリサイクルポリエステル繊維の製造販売を展開する合弁会社を設立し、海外では初めてとなるポリエステルのケミカルリサイクル設備を建設し、中国独自の循環型リサイクルシステムの構築を目指す。

 合弁会社は約60億円を投じてリサイクルDMT製造設備、重合設備、および製糸設備を設置し、ポリエステル繊維屑や使用済みのポリエステル製品などを原料とするケミカルリサイクルにより、石油から製造するのと全く同品質のテレフタル酸ジメチル(DMT)の製造、およびそれを原料とするポリエステルチップ、帝人グループのポリマー・紡糸技術を駆使した高付加価値ポリエステル繊維の製造販売を行う。

 合弁会社のリサイクルによるDMT生産能力は第1期として年産2万トンを予定している。その後、需要拡大を見極めた上で、第2期として年産5万トンの増設を行い、年産7万トンの生産体制を構築する計画。

 今後、早急に中国での合弁会社設立の手続きを完了し、今年11月にはプラントの建設に着工、2013年度末の操業開始を計画している。

 また、帝人は、中国化学繊維工業協会、その下部組織でリサイクル事業を推進する化繊循環経済連盟、および紹興市などと連携しながら、紹興地区を中心とするケミカルリサイクルのサプライチェーンの整備やリサイクルシステムの制度設計を行い、中国独自の循環型リサイクルシステムの構築を推進していく。さらに、将来的には中国全土に循環型リサイクルビジネスを展開していく計画。

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