三菱電機が鉄道車両の回生電力を駅で有効利用する実証実験開始

2012年8月8日 11:00

印刷

記事提供元:エコノミックニュース

 三菱電機が、鉄道車両のブレーキ時に発生する回生電力のうち、近くを走行している車両だけでは消費できない余剰電力を、駅の電気設備に直接供給する「駅舎補助電源装置」の実証実験を東京地下鉄の東西線西船橋変電所で実施すると発表。実験期間は8月中旬からの約2カ月間で、2013年4月から「駅舎補助電源装置」の製品供給を目指す。

 「車両エネルギー管理」「駅エネルギー管理」「車両基地エネルギー管理」「路線エネルギー管理」の4つの階層から鉄道トータルのエネルギー管理・省エネルギー化に取り組んでいる三菱電機。今回の実証実験では、東西線車両で発生する回生電力の駅での利用状況を検証し、約600kWhの有効活用が可能で、東京メトロ西船橋駅の消費電力(15時間分)の16%を補完できると推定する同社シミュレーション数値の妥当性確認を実施。また、直流1500Vの回生電力の交流変換と、駅の配電系統経由での照明や空調等への供給や、駅の交流系統への電力供給による影響や電力系統全体への適合性の確認といった「駅舎補助電源装置」の機能を検証するという。

 メガソーラー発電所の建設ラッシュなど、いかにして再生可能エネルギーで電力を確保するかということに注目が集まっているが、回生電力に関しては鉄道やエレベーター、自動車といった分野に限られるからか、話題に上ることが少ない。しかし、機器で生じる余剰なエネルギーを回収する電力の再利用は、いかにして作るかということと同様に重要なことであろう。今回の様な取り組みが広く普及し、実用化が進むことを期待したい。

※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

関連記事