ソニー、高画質とリアルタイム性を両立したセキュリティー向けカメラを発売

2012年8月7日 10:53

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「IPELA HYBRID」シリーズ製品群(画像:ソニー)

「IPELA HYBRID」シリーズ製品群(画像:ソニー)[写真拡大]

 ソニーは6日、ネットワークカメラの新規カテゴリーとなる「IPELA HYBRID(イペラハイブリッド)」シリーズの製品群を発売すると発表した。イペラハイブリッドシリーズは、現行SD画質のアナログカメラ、HD画質のネットワークカメラに次ぐ新たなセキュリティー製品カテゴリーで、デジタルHD映像とアナログSD映像を一つの同軸ケーブル上で同時に伝送できる業界初の製品。

 近年、セキュリティーカメラの市場は、従来のアナログカメラから、より高画質なネットワークカメラへと急速に移行しつつある。特にHD対応製品の登場以降、ネットワークカメラは高画質での映像監視に加え、ネットワーク経由でのカメラコントロールやWebブラウザ上で映像閲覧が出来る利便性などから、オフィスや工場、商業施設等での採用が広がっている。

 一方、アナログカメラはネットワークカメラに比べ映像伝送の遅延が少なく、ほぼゼロであるというその特性から、映像のリアルタイム性が重視される鉄道の沿線やホーム、高速道路などの交通分野や、大型商業施設、公共施設などにおいて根強く利用されている。

 ソニーは今回、ネットワークカメラによるHDの高画質と、アナログカメラが持つ映像のリアルタイム性という特長を両立させた新カテゴリーのセキュリティー製品群「イペラハイブリッドシリーズ」として、ハイブリッドカメラ4機種と専用の4チャンネルレシーバー1機種を発売する。

 イペラハイブリッドシリーズにはSLOC(Security Link over Coax)」技術を採用したICチップが搭載されており、これにより一本の同軸ケーブル上へのデジタルHD映像とアナログSD映像の同時伝送を実現している。

 また、イペラハイブリッドシリーズは、既設のアナログカメラから高画質なHDネットワークカメラへの柔軟な置き換えも可能にする。多くの場合、アナログカメラが設置されている場所では同軸ケーブルを使ったインフラが敷設されており、HDネットワークカメラへ移行する場合には、ケーブルを中心とした施設内全体のインフラ変更が必要で、その改修には多大な工数と費用が必要なほか、ケーブルの廃棄など環境への負荷を伴う。

 ソニーのイペラハイブリッドシリーズは、同軸ケーブルによる既存のインフラ環境をそのまま活用できることから、HDネットワークカメラへの移行を進める場合でもコストを大幅に抑制できるうえ、ケーブル資源を有効活用して環境面でも貢献できるソリューションとなっている。

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