整理術:オフィスの不用品とごみ

2012年7月26日 18:51

印刷

あまりにも多くのものを集積してしまい、改善しようと思っても何から手を付けていいかさえわからなくなったとき、問題が起こります。

あまりにも多くのものを集積してしまい、改善しようと思っても何から手を付けていいかさえわからなくなったとき、問題が起こります。[写真拡大]

 もし、ごみ学の専門家があなたのオフィスやお宅にやってきたら、あなたに関する何かに気が付くでしょう。ごみの専門家は実際に不用品やごみを研究し、その成果は多方面で応用されています。この研究ついて知っておくと、考古学的発掘から犯罪捜査まで、多くの分野で役に立つでしょう。

 筆者は最近年老いた家族関係者の家を整理して始末しなければならないことがありました。そのとき、たとえその家の所有者について知らなくても、蓄積された物からその人物の人となりを類推するための手掛かりをたくさん導き出すことは可能だと思いました。私が目にしたものから浮かび上がったその人の特徴は:

 決められない人。 (差出人住所のラベル5千枚、1973年からの公共料金の請求書、ファーストフードレストランの紙袋23枚。これらは必要なものでしょうか?)

 捨てられずに苦労するものはだれにでもあります。しかし、あまりにも多くのものを集積してしまい、改善しようと思っても何から手を付けていいかさえわからなくなったとき、問題が起こります。不用品が多くなればなるほど片づけるのは難しくなり、さらにがらくたが蓄積されることになるのです。

 今までアドヴァイザーをしてきた職場の多くでこの兆候を見てきました。書類の山や種々雑多な物でオフィスがいっぱいになっているのです。ところが、いったん書類や不要なものを片づけられるような方式を取り入れたら、人は自己管理ができていると感じ、努めて物事を整理した状態に保ちます。

 ほとんどの人は整理された空間で力を発揮します。オフィスが整理されていなかったら、頻繁に自分を責めて、「時間ができたらすぐにでも」整頓しようと心に誓います。問題は、十分な時間など絶対にないということです。

 一度に全部できると確信できるまで待とうとはしないでください。なんといっても、そのがらくたや書類の山は一日や一週間で増えたものではないのです。小さなところから始めましょう。ひとつの引き出し、一本の棚、その中にあるものすべてについて意思決定してください。毎日あるいは毎週、少しずつしていきましょう。その際、次の質問を念頭に置いて作業してください。

 ・この情報はどのぐらい新しいか?これを最後に使ったのはいつだった?
 ・これを再び必要としたり使ったりしている自分を想像できるか?
 ・これを捨ててしまった場合に起こりうる最悪の事態は何か?

 周囲の不要物を管理しやすくするための意思決定は、練習を積めば積むほど、簡単にできるようになるでしょう。新しいものがやってきたらどこに置くべきかをすぐ決めて、将来的にがらくたの山の一部になるのを回避しましょう。

 そうしていけば、あなたの空間から不要なものはなくなり、心は澄み渡り、タイムマネジメントのスキルは磨かれ、さらに、仕事における生産性が急上昇するはずです。

※この記事はKey Organization Systems提供の記事を財経新聞が日本向けに翻訳・編集したものです。

関連記事