日電硝子は連日の安値、1Q業績を前年同期比較でみるか直近四半期比較でみるかで強弱感=浅妻昭治

2012年7月26日 11:04

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

日本電気硝子<5214>(東1)は、寄り付きの売り気配から32円安の361円まで売られて続急落し、連日の年初来安値更新となっている。

日本電気硝子<5214>(東1)は、寄り付きの売り気配から32円安の361円まで売られて続急落し、連日の年初来安値更新となっている。[写真拡大]

【浅妻昭治のマーケット・トーク】

  日本電気硝子 <5214> は、寄り付きの売り気配から32円安の361円まで売られて続急落し、連日の年初来安値更新となっている。

  前日25日大引け後に今3月期第1四半期(1Q)決算を発表、今年6月25日の下方修正値を上ぶれたものの、前年同期比較では連続の減収減益となり、直近の前期第4四半期(4Q)業績に対しては増益転換したことから強弱感が分かれたが、前年同期比減益をネガティブに評価しリスク回避売りが増勢となっている。

  前日の米国市場では、同業他社のコーニングが、ほぼ同傾向の決算を発表したが、株価は上昇が伝えられている。

  日電硝子の業績開示方針は、国内外の情勢変化が激しく先行きの業績を的確に予想することは困難として、次期の四半期業績のみをレンジで予想、早期にそのレンジ予想を単独売上高、連結売上高、四半期業績の順で相次いで修正とすることを基本としている。

  今期1Q業績は、今年6月の下方修正値より利益が21~6億円上回ったが、前年同期比21%減収、74%経常減益、95%純益減益と悪化した。ただ、1Q業績を前期4Q実績と比較すると、純利益は、4Qの80億7300万円の赤字から黒字転換した。

  主力の液晶ディスプレイ(LCD)用基板ガラスが、需要回復を背景に持ち直し、生産性改善や稼働率の上昇、減価償却費の減少などが寄与しており、純利益は、投資有価証券評価損計上で黒字転換幅を縮めた。

  2Q累計業績は、経常利益を100億円~150億円(前年同期比78~67%減)、純利益を25億円~50億円(同90~79%減)と見込んだが、3カ月の四半期ベース比較の純利益は、18億8600万円~43億8600万円と回復色を強める。

  株価は、PBRは0.3倍、配当利回りは4.4%と下げ過ぎを示唆しており、下値では強弱感の拮抗が激化しよう。(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)

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