[仕事術]ワーク・ライフ・バランスはとれるのか?

2012年7月18日 18:09

印刷

『ワーク・ライフ・バランスなんて存在しない。あるのはワーク・ライフ・チョイスで、どちらかを選択したら、それぞれの結果が必然的に出る』 ゼネラル・エレクトリック(GE)のジャック・ウェルチ元会長兼最高経営責任者(CEO)が米国人材マネジメント協会(SHRM)に対する講演で言った言葉です。

『ワーク・ライフ・バランスなんて存在しない。あるのはワーク・ライフ・チョイスで、どちらかを選択したら、それぞれの結果が必然的に出る』 ゼネラル・エレクトリック(GE)のジャック・ウェルチ元会長兼最高経営責任者(CEO)が米国人材マネジメント協会(SHRM)に対する講演で言った言葉です。[写真拡大]

 『ワーク・ライフ・バランスなんて存在しない。あるのはワーク・ライフ・チョイスで、どちらかを選択したら、それぞれの結果が必然的に出る』 ゼネラル・エレクトリック(GE)のジャック・ウェルチ元会長兼最高経営責任者(CEO)が米国人材マネジメント協会(SHRM)に対する講演で言った言葉です。

 筆者はどちらかといえばウェルチ氏の意見に賛成です。人は、今日の世界がどのように発展しているか考慮に入れないで見かけ倒しの考えを実現させようとしているように思われます。

 アメリカでワーク・ライフ・バランスといえば、1950年代のホームコメディのイメージが浮かびます。現在ではだれもがあのような生活を望んでいるわけではないでしょうが。

 わたしが思い出すのは、家族旅行でニューヨークからノースダコタへ行ったときのことです。子供4人はステーションワゴンの後部座席に乗り、好きにするままに放っておかれました。窓の外を見るほか楽しいことはなかったので、私たちはお互いにつつき合い、前の座席からお小言が飛んでくるまで喧嘩をしていただけでした。けれども、あの旅は素晴らしい家族の時間だと思われたのです。

 科学技術によって、日の出から就寝までの家族あり方は変わりました。今では旅行をするとなると、子供たちはシートベルトで縛り付けられ、DVDを見るか携帯型ゲーム機で遊んでいます。父親は携帯で話し、母親は携帯メールをしています。これは、彼らが何かを逃していることになるのでしょうか。

 とらえどころのないワーク・ライフ・バランスを取ろうとする代わりに、いくつかの問いを自分に問うことで、自分の選択が正しいのかそうでないのか判断するほうがよいのではないかと思います。

・仕事と家庭の両方で、自分の時間に何か好きなことをしているか。
・仕事のプレッシャーでストレスが溜まってきているか。
・運動や趣味といった形で自分自身のために時間をとっているか。
・あなたの家族はあなたにほったらかしにされていると感じているか。

 現在多くの職場で、勤務時間中に個人的な活動のために時間をとって、仕事は家に持ち帰ることが増えています。どちらかといえば、何をいつすると一番よいかという問題なのです。

 一日あるいは一週間の在り方に満足していなければ、別の過ごし方を見つけるようにするべきです。いっぽうで、達成感が得られ、創造的なことをしていると感じているなら、それが「仕事」であれ「遊び」であれ、よい生活を送っているはずなのです。

 それは「ビーバーちゃん」(1957年から1963年に米国でテレビ放送されたホームコメディ)の世界ではないかもしれませんが、我々の世界であり、人生の選択なのです。

※この記事はKey Organization Systems提供の記事を財経新聞が日本向けに翻訳・編集したものです。

関連記事