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動きの活発なビッグデータ市場がどこまで成長するのか
ウェブサーバが提供するログデータやセンサから得られるデータ、モバイル機器が生成するデータなどの大量のデータを示すビッグデータ。大量であるだけでなく、リアルタイム性が高い上に非定型であるなどの特徴を持つビッグデータは、その管理・分析などによって得られるものが多い。その為、近時はこうしたビッグデータに関連する開発が数多く実施されている。
日本IBMは、テキストなどの蓄積された大容量の非構造化データを処理するソフトウェアに、ネットワークから転送されるデータをリアルタイム処理するストリーム・コンピューティング製品を同梱した「IBM InfoSphere BigInsights V1.4」を発表。蓄積された非構造化データだけでなく、ネットワーク上を流れるデータの分析および連携を実現し、ビッグデータ活用を支援する製品となっている。例えば、クレジットカード会社におけるカード不正使用の検知を実施する場合、過去の使用履歴やテキストによるログ情報から不正利用のパターンを検知し、顧客がカードを使用する毎に、分析した不正パターンと対象カードの使用履歴とを照合することで、不正使用の可能性を判断できるという。
また、日立製作所は、大量トラフィック処理を実現する超高速メッセージング技術の開発を発表。高速データ処理技術として注目されるインメモリ型のKVS(従来のデータベースを補完するシンプルな構造のデータ保存方式)技術を応用したもので、携帯電話やSNSといったメッセージ配信サービス、あるいは、センサ端末から生成される情報といった大量データ処理システムの基盤技術となる。この技術を携帯電話向けメールシステムに適用したところ、サーバ1台あたり1時間に1300万通のメール配信性能を実現したほか、情報量の増加に合わせたサーバ増設が容易になることを確認した。
さらにNECは、人間では発見が困難な多数の規則性を自動で発見し、高精度な予測や異常検知に役立てることが可能な異種混合学習技術を開発。ビッグデータに混在するデータ同士の関連性から特定の規則性を自動で発見するだけでなく、分析するデータに応じて参照する規則を自動で切り替えるもの。これにより、状況に応じて規則性が変化するデータでも、高精度な予測や異常検出が可能とのこと。例えば、医療領域に活用した場合、日常生活において収集しているデータから異常パターンを発見することで、病気の早期発見に貢献することが期待できる。
矢野経済研究所の調査によると、2011年度のビッグデータ市場は1900億円。現在はビッグデータを分析しマーケティングや商品開発に活かすことに注目が集まっているものの、同調査が作成した市場の成長シナリオ通りに市場が変遷すれば、2015年度は4200億円、2017年度には6300億円、2020年度には1兆円を超えると予測されている。あくまでもシナリオ通りに進めば、という数字であるが、それだけの潜在能力がある市場であるということである。この市場がどういった成長を遂げるのか、目の離せない市場と言えるのではないだろうか。
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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