警察は Google をプリコグとして使用できるか?

2012年6月11日 11:50

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記事提供元:スラド

 taraiok 曰く、

 殺人者は殺害方法のヒントを Web を探して見つ出すことがたびたびあるが、Google を使えばマイノリティ・リポートに登場する殺人事件予知システム「プリコグ」を現実のものとすることができるかもしれない (Broward/Palm Beach News の記事本家 /. 記事より) 。

 3 月 24 日にアメリカのフロリダ州フォートローダーデールで起きた Juliana Mensch の殺害事件では、Juliana の友人 James Ayers と彼のガールフレンド Nicole Okrzesik は麻薬に使うための資金を得るために Juliana を殺す方法を探していた。彼らは Nicole Okrzesik の携帯電話を使用して、「睡眠中に人を殺す方法」「人が意識を失う化学物質」というキーワードで Google に検索を掛けたのだ。答えは Yahoo! answers のページで見つかった。その後、約 30 分ほどの間に「自殺の方法」「素手で人を殺す方法」「人を窒息する方法」「誰かを毒殺する方法」などをググり続け、そのあと James により Juliana は絞殺という手段で殺害された。

 この事件の経緯を受けて、「本当に殺害の驚異がある場合、Google は収集した検索から予知を行い、警察が犯罪者を逮捕することを助けることができるのではないか」という主旨の記事が掲載された (Slate Magazine の記事) 。現実には、警察は令状を取得するための十分な証拠が用意できた場合のみ電子記録を取得することができるため、電子記録は犯罪の阻止には役に立たない。またこうした行為は盗聴と同じで、警察が簡単に検索記録や個人情報にアクセスできるようするのは問題があると考えられていた。しかしジョージ・ワシントン大学のコンピューター犯罪専門家 Orin Kerr 氏は、現在の法律では電話での会話、電子メールやテキストメッセージとは異なり、検索クエリの警察への自主的な開示は禁止されていない。Google はその気になれば「プリコグ」のように犯罪の予測情報を伝えることができるとしている。

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