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凸版印刷、放射線を遮蔽するタングステン機能紙を開発
放射線を遮蔽するタングステン機能紙(写真:凸版印刷)[写真拡大]
凸版印刷は7日、紙にタングステンを高密度で充填した、放射線を遮蔽する機能を持ったタングステン機能紙を開発したと発表した。6月中旬よりサンプル出荷を開始する。
タングステンは、X線やγ線などの放射線を遮蔽する機能を持つことが一般的に知られているが、今回開発した製品では、タングステンを高密度に充填したことにより、タングステン自体の特長を維持したまま加工性の向上を実現した。断裁や折りたたみ、フィルムをはじめ他材料への貼り合わせなど加工が容易という特長がある。また、鉛フリーであることから、屋内・屋外問わず、人が触れるような用途でも活用が可能。
なお、同製品は、放射線医学の第一人者である京都大学大学院医学研究科の平岡眞寛 教授、門前一 特定准教授の協力を得て性能評価を実施。その結果、従来の鉛板と比較して同等の放射線遮蔽効果を有することが確認された。
凸版印刷は今後、医療や被災地を中心とした建築物などさまざまな用途向けにサンプル出荷を行うほか、トッパングループが持つ建装材、産業資材関連技術とのシナジーによる新たな用途や使用方法などの検討を進めていく方針。
具体的には、医療分野では、放射線検査室および放射線治療室の壁、扉、カーテンなどや、放射線の遮蔽が困難な手術室、病室での簡易遮蔽材等として、また、被災地・復興作業向けには、放射線環境下での作業員保護や汚染された物質、廃棄物の簡易遮蔽、被災地の体育館など広域避難場所を新築する際の建装材等としての用途が考えられている。
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