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[仕事術]生産性が高い≠所要時間が短い
最近、ソフトウェアやハードウェアのマニュアルを読む機会がありましたか。その際、その取扱説明書に目を通し、「いったい何を言ってるんだろう?」と首をかしげたことはありませんか。
今日、企業の多くがセットアップの仕方や一番最初のはじめ方、プログラムの起動の仕方などを説明した自社のマニュアルを簡便な小冊子に変えています。理由は、こうすることでその製品は簡単に使えると表面上見せかけることができるからです。しかし、そうした説明書には、読んで理解しようとしながら、いったい何度イライラさせられたことでしょうか?
あとで問い合わせることになるかもしれないオンラインのヘルプページにおいてさえ(ある程度インストールが進まなければアクセスできないページです)、大まかな手順が書いてあるだけで、ここを押せばいいですよと指示するボタンや単語を見つけることができない可能性もなくはないのです。
このことは、我々のコミュニケーションが、主意を十分に伝えることができないまま、どんどん簡素で短くなっているひとつの例にすぎません。そこのところを基本原理にしているのがツイッターです。ツイッター利用者は、おそらく興味深いと思われるフレーズを素早く送り出し、ほかの利用者のコメントやウェブリンクをクリックしなければならず、クリックしたらほかのウェブページに移ってしまうのです。
筆者はタイムマネジメントの優れたテクニックを通して生産性を上げることを支持していますが、いつくかのケースにおいては方向性に疑問を感じています。たとえば、手短に書かれたメールなら素早く一読することは可能かもしれませんが、その際、決断をしたり問題を理解したりするのに十分な情報を受け取ることはできているのでしょうか。かいつまんで書いてあるせいで、もうひとつ別の手順を取ることになっていませんか?たとえば、電話をかけたりメールを返信したりして、書いてあった内容について問い合わせしなければならなかったというように。
重要な(あるいは単に興味深い)情報を伝える場合、望ましい行動を引き出すのに効果的な事柄を細かいことでも十分に盛り込めるように、時間を取って考えてみてください。この延びた時間の分だけ、実際には時間の節約になります。ですから、実益のある文書を作成することを敬遠しないでください。
生産性を上げるということは、必ずしも速さや簡明さを意味するとは限りません。それは、あなた自身のためであろうと同僚のためであろうと、人が踏まなければならない手順を減らしたり、目的とする行動をもたらすのにかかる時間を短くしたりすることなのです。
※この記事はKey Organization Systems提供の記事を財経新聞が日本向けに翻訳・編集したものです。
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